Angel Beats!

uroborosu2010-12-27


公式

Wikipedia



概要

死後の世界の学園を舞台にした青春ドラマ。
死後の世界であるため、通常なら死ぬような行動を取っても死ぬことはない。
テストや球技大会・学食での食事などの日常的で平和な学園生活と、銃火器や刀剣を用いて天使と戦う非日常的な生活、そして登場人物の送った生前の理不尽な人生、この三者を柱にストーリーが展開される。

Key・アニプレックス・電撃G's magazine・P.A. Worksの共同プロジェクトで、原作・脚本はKey所属のシナリオライター麻枝准、キャラクター原案はKey所属のNa-Gaが手がける。
両者ともテレビシリーズ作品は初挑戦である。因みに、ゲームメーカーのKeyが関わっているが、本作品はゲームを原作としたものではないアニメオリジナルの作品である。
なお、幾人かの声優は麻枝の推薦で選ばれている。

『電撃G's magazine』2009年11月号にて、アニメーション制作はP.A. Works、監督が岸誠二であることが発表された。
また岸とタッグを組む事が多い音響監督の飯田里樹も本作では脚本会議の段階から参加している。

アニメの演出として、場面転換の際は現在地の名前がテロップで入る。
また、監督の岸がインタビューにて、「自分にとっても麻枝にとっても本編の結末はある特定ルートでの可能性であり、他のルートや結末もありえる。」という趣の発言をしている

あらすじ

森に囲まれた丘陵地にある天上学園は生徒総数2000名を越える全寮制の学校。
一見するとごく普通の生徒らが生活を送っている学園だが、そこは死後の世界だった。

現世で理不尽な人生を体験し、青春時代をまともに送れずに死んだ者はこの世界に送られ、あらかじめ用意されたエキストラの生徒達と共に学園で楽しい青春時代を過ごす内に未練を無くし、「消滅」(成仏)し、転生する。

しかし、転生することを拒む人々がいた。
少女・ゆりをリーダーとする「死んだ世界戦線(以降、戦線)」は、理不尽な人生を強いた神への復讐を目的とし、元々が死後の世界であり「死ぬ」ことのないこの世界で、学校の秩序を守る「天使」と日夜戦いを繰り広げていた。

生前の記憶を失った少年・音無は、戦線のメンバーと行動を共にするが、次第にこの世界の真実を知ることとなる。

2010年春季アニメでもいの一番に制作の名乗りを挙げた「Angel Beats!」。
概要の通り、有名なスタッフを率いて、監督には瀬戸の花嫁を作り上げた岸誠二さん。
アニメーション制作はtrue tearsを制作したP.A. Works
キャラデザはリトバスで名を馳せたNa-ga氏。
そして脚本を務めるのはだーまえこと、麻枝准さん。

他の春季アニメを圧倒するような存在感と力の入った広告。
この作品を考察するにあたって、一番重要な部分は宣伝の対価。
PVを8弾まで制作し、特別番組を制作したり、最終的には新聞に広告を掲載したAngel Beats
D
制作までの過程には、リトバスで全てを出し切った麻枝さんの所に岸さんが来て「どうしても作って欲しい」と頼み込んで着手したもの。
しかし麻枝さんも「やるからには全力で行きたい」と返答し「一話を見れば続きが気になるような作品」と自負しています。
となると、必然的に視聴者も「それならこっちもそれなりの態度で視てやろう」と喧嘩腰に。
岸監督もそれを見越した上で「目の肥えたお客さんを相手にする」と発言しています。
そして案の定飛び交うアンチの罵倒。
当ブログではその辺りも追って考察していこうと思っています。

1話考察


一話の時点ではまだOPは無く、主人公が夜の学校で目覚めるところから始まる。
そして目の前の少女(ゆり)に声をかけられ「あなた、死んだのよ」と告げられる。
主人公が死んだ状態から始まっているのは幽遊白書ぐらいしか知りませんが、開始一分の時点でかなりの視聴者を煽っています。
とりあえず主人公はゆりが「天使」と称した女の子の元に向かうことにする…が、天使は自分は生徒会長だと名乗る。
戯言にように病院にでもとつぶやいた主人公に、天使は淡々と「ここにはそんなものはない」と告げる。
天使自身もここは死後の世界だと言い張り、主人公は激昂し、天使に俺を殺してみろと煽った主人公は、次の瞬間天使に不思議な形状のブレードで刺殺されることに。
しかし刺されても死には至らない場所。それがこの世界の仕組みだった。
だが、天使に抗わなければこの世から永遠に消されてしまうことになってしまう、とのこと。

この世界にはギルド以外のメンバーもいるが、それはゆり曰く『NPC』。
NPCは「模範的な行動をとる一般生徒」であって、それに従えばNPCとなり呑み込まれる。
授業や部活をすればそうなってしまう。
ゆりによると食堂で食券を買うことも模範的な行動の一つになり、呑み込まれる。
しかし腹は減るし眠くもなる。平和的に食堂で飯を食うには模範的じゃない行動で食券を手に入れなければならない。
そこで決行したのが食堂でライブを開いて、それに気を取られているうちに強風で食券を風で巻き上げてしまおうというもの。
作中でライブシーンを演出するためだけに、一度実写で撮影をしただけはあるリアリティのある演出で、音楽も聞けば聞くほど味のあるスルメ曲で凄いと思った。


しかし天使は食堂に迫る。
主人公が防衛していた部分に運悪く天使が接近。
天使と主人公の対峙するシーンからが一話のサビの部分。
時間稼ぎのつもりが仲間と共闘して天使を撃退することになる。バトルシーンとライブシーンのコラボレーション。
EDは知らないアーティストの人だけど、麻枝さんが気に入って選ばれた人なんだろうなぁと。
この時点ではまだ歌詞の意味は殆どわからないのだけれど、きっとCLANNADの時と同じように麻枝マジックを仕込んでいるんじゃないかと。

この世界の仕組み
  • 死んでも死ねない
  • 天使に抗わなければならない
  • 物体は錬成出来る
  • 建物は自己再生する

これを踏まえた上でさぁ次に行こう、という思考になる人にとってはかなり続きが気になる作品になったのではないでしょうか。
一話だけでスッキリするような作品を望んでいた人にとっては大誤算。
シナリオの伏線で続きを見せるようにしなければ何の意味もない。
しかし「詰め込みすぎだ」、「テンポが早すぎる」という人にとっては少しばかり置いてけぼりを食らうハメになったかもしれませんが、この作品にはそういう人達に切り込む魔法の言葉が。
麻枝さんはそんな人達のためにこの切り札を持っていたのですから。
『順応性を高めなさい』と。

1話舞台裏

一話では予想通りのアンチが殺到。*1
一話の時点でこうなることは既に予測済みで、ギャグが寒いだの、中割り*2を持ち出して作画崩壊しているという指摘をする人が。
Angel Beatsでスタッフがもう一つ売りにしているものは総作画枚数。
通常のアニメの三倍の枚数を書いてるらしく、*3本編はとてもよく動く。
その為、中割りで多少崩れるのは当然のこと。
これについては今後も批判されることが多かった。
全体的に批判の中には重箱の隅をつつくような意見も多かった。
ここまで来ると、もはや作品を叩きたいのか擁護している人間を叩きたいのかどっちかわからん…。

ギャグが寒い。というツッコミに関しては「人それぞれ」ということで。
万人にウケる漫才師が居ないのと同じ理論ですね。


一話で一番目についたのは細かな演出と世界観。
のっけから分かる通り、死後の世界ということでかなり特殊な世界観。
銃弾で壊れた建物も、食堂の後のシーンでは再生している上、天使が銃弾を跳ね返した時も0と1が弾けている辺りを見ると、架空世界ではないのかという説も浮上しました。

それにしても「模範的な行動」というのはどこまでの範囲で適用されるのか。
そこら辺は多分シナリオの都合に合わせられるのだと思いますが、食券で食べ物を得るという辺りが模範外に割り振られるような事は今後は極力避けられるんじゃないかと思います。

2話考察


OPが付いて、よりアニメーションらしく。
真っ先に印象にのこるのは天使がピアノを弾いている場面。
これは終始一貫した演出で、中盤に本編のダイジェストを挟むような形に。
OP単体で評価をするなら現時点ではずば抜けて良いと言う程でもない。
こういうタイプのOPは多分物語と連携して少しづつ形態を変えていくのだと思う。

本編では早速ギルドの仲間達と組んで、武器の調達へむかうというミッションを果たすことに。
ギルドの仲間は他にも多数おり、地下にいるギルドメンバーは武器や弾を製造しているらしい。
地下のギルドメンバーは『記憶』さえあれば、つまり技術さえもっていれば土から何でも製造することが可能というもの。
一話の時点で「武器の製造は誰が?」なんて質問も多かったけれど、二話にしてこの疑問は解決。
丸々一話動きの多い場面ばかりでしたが、PAワークスは今回も一話と同じクオリティを保ってくれていたと思う。

今回一番注目する点は『仲間の死』
一話で共闘した仲間が次々に薙ぎ倒されていく様を見て主人公は「連れていかなくていいのか?」と問うも、仲間たちは「時機に生き返るから放っておいて構わない」と告げる。
つまりギルドメンバーにとって仲間の死というのは別になんてことのないこと。かなり軽薄に扱われています。
しかし、それと裏腹にリーダーのゆりは仲間の死についてかなり心を痛めているようで。
そこからゆりの小さい頃の話しが語られることに。
ここからの展開は麻枝さんらしいなぁという色の強いシナリオに。
この部分に関しても結構好き嫌いが別れたようで。

そして一話の頃よりも麻枝色の強いギャグが多かった。個人的には大好き。

2話舞台裏

全体的に顔がのっぺりしている。という意見が大きくなった第二話。
確かにこれについては私も多少の疑問がありました。
キャプ画像一枚ではよくわからないのですが、動画を見てもゆりの前髪の辺りや、キャラの陰影が全体的に薄い感じがする。
true tearsの時はそんな事考えなかったんだけど…。
ゆりの前髪に関してはもう少し安定するとうれしいなぁなんて。

私なりの見解では、暗い場面の描写が全体的に多いのが致命的なんじゃないかと思います。
光が顔に当たっている場合だと、しっかりと鼻の位置や輪郭などを踏まえた上での陰影をクッキリと付けられるのに対して、暗い場面だとそれが付けにくいor付けられない。
故に顔が単色塗りののっぺりとした表情になるのではないかと。

そしてもう一つ、主人公に感情移入しづらい、緊迫感がないという意見も多数ありました。
主人公に感情移入しづらいというのは、惰性的にギルドメンバーに付いて行ってる主人公の行動。
そして女の子一人に対して(天使)攻撃しているような仲間とつるんでいるという面。
前者に関してはまだしも、後者に関しては主人公は初めて刺殺されたわけですから、恐怖を感じている面があるのではないかと思います。
その上天使も天使なりに対向する術を有しているわけですから。
まだ自分が何者かわかっていない主人公と、攻撃を仕掛けてくる天使、それを攻撃するギルドメンバー。
主観的にならなくとも、主人公の立場で考えてみればまともに話ができる人間と一緒にいる方が安心すると思いますから、ギルドメンバー側につくことを選択したんでしょうね。


今回疑問に残っているのは「一話の時点から何故ゆりの言う事を鵜呑みにするのか」ですね。


それにしてもTKが人気過ぎる…。(自分も好きだけど)

3話考察

今回のメインキャラはタイトルの「My song」で予想出来る通り、岩沢。
一話でバンドのシーンで、ボーカルとギターと担当した赤髪のキャラ。
新規参入者の天才ハッカーこと竹山と共に天使エリアと呼ばれる所に侵入するため、一話の陽動作戦と同じようにガルデモが奮起することに。
ユリっぺと相談して、ブリーフィングでバラードの新曲を披露するのですが、陽動作戦には向いていないということで却下。
陽動作戦に関しては、予め校内に張り紙をすることで生徒を呼び寄せていたのですが、この時にPVに登場していたユイが登場。
今回は特に動きはなく、ただの下っ端キャラということだったので、主人公との絡みで出番は殆ど終了しました。
ガルデモの人気は校内でもずば抜けて高く、NPCの生徒からも支持は厚いのですが、この件に関して生徒会長(天使)は普通に生徒会長として張り紙を外しにかかる。
しかし、この行為に関しては生徒から敵対視される。


このアニメにおいて重要なシーンの一つが「記憶の話」
前話のユリっぺの記憶の話しに引き続き、スポットライトの当てられた岩沢の記憶の話しが語られることに。

両親はいつも喧嘩ばかりしていた。
私はそれに耐えきれず、殻に篭るようになってしまった。
しかしある日、同じような境遇の人のバンドを見つけ、虜になった。
雨の日。帰り道のゴミ捨て場でアコースティックギターを拾い、音楽の世界に身を投じようと思った。
両親に頼らずに生きていこうと思った矢先、脳の異常で倒れてしまった。
原因は両親の喧嘩のとばっちりだった。
そして、私の人生は幕を下ろした。
歌いたかった歌を歌えなかった少女の儚い人生。

理不尽すぎる人生を淡々と主人公に語る岩沢。


演奏本番。同時にSSSメンバーも天使エリアに侵入……と思いきや、普通に女子寮の生徒会長の部屋への不法侵入。
天使のパソコンを起動し、パスワードの掛かっているパソコンのハックに成功。
一見すると特に何の変哲もない名簿等があるだけのパソコンだと思いきや…。
ライブでは思ったよりも人が集まっていない。
焦りを感じた岩沢はメインの曲を出し惜しみすること無く、次曲に選出。
盛り上がりが最高潮に達したところで、先生たちがライブを中断する。

今まで見逃していた面もあり、教師たちは大激怒。
岩沢を拘束し、大事にしていたアコースティックギターを没収しようとするが、岩沢は勿論反抗。
萎縮した教師陣の隙をついて、メンバーは音響機器の置いてある部屋に走った。
そこで、岩沢は序盤に却下されてしまったバラード調の曲を歌い…成仏したかのように消えてしまった。
その頃、SSSメンバーは天使が自ら自分の兵器を開発していたことを知った。

3話舞台裏

三話ともなると話しが安定してきて、視聴者側にも世界観は十分に伝わったことで、話しの内容自体も伏線を一つ一つ回収しつつ、次回が気になるようにするというスタンスで話を構成しているように見受けられました。
シーンごとに見ると飛躍しがちな感じがしますが、1話全体を通して広い視野で見てみると、ちゃんと話しは収まるところに収まっていますしね。
序盤のバラードのカットもきちんと最後のシーンの為に張った伏線なのですから。

大きな伏線(疑問)が3話で二つ。

何故天使なのに神様から兵器を授からなかったのか。

この件に関しては物語の大きな伏線の一つではないかと。
まず、何で生徒会長なのに天使と呼ばれているのか、それ以前に何故天使が兵器を持っているのか。
結論を求めれば求めるほど、世界観を含む大きな疑問点である「天使とSSSメンバーが戦う理由」というのを知らなければ、この疑問を解決することは出来ないんじゃないかと。

何故岩沢はこの世からいなくなってしまったのか。

岩沢の成仏は「この世に未練がなくなったから」と受け取ってもいいのだろうか。
ユリ自身も人生に納得してしまったからと語っていることだし…。
となると、SSSメンバー達は一人ひとり過去に納得していない地縛霊なのか…?


それと、これからユイの動向が気になるところ。

4話考察

話の出だしはユイを沢村の代わりのニューボーカルとして採用しようというもの。
そこでOPの曲を疲労するのですがP.A.はここでOPごとごっそり変更。
ロックな感じに変貌したOP。

今回の話はだーまえ節炸裂の野球回。
学校行事の一つとして野球大会があり、ユリ達はそこに参加。
どうやらゲリラ参加としてなら消えることはないらしく、SSSメンバーの中でそれぞれチームを作り、対決してもらう流れに。
音無と組んだ日向チームは主要メンバーを頼りにメンバー集めに奔走するが、結果的にアホばかりの集まってしまうメンバーになる。
そこで日向の記憶がフラッシュバックする。野球帽をかぶった少年の姿。


順調にコマを進めるSSSメンバー。
しかし天使チーム(野球部レギュラー勢ぞろい)にSSSメンバーは圧倒的にやられてしまう。
残るは日向チームのみ。攻撃力はあるものの防御力は紙。
それを防いだのは肉うどんの食券で買取った熊。

なんとか対等に渡り合い、勝負は佳境に。
そこで日向の記憶の話がなされる。

最終局面で2アウト、2塁3類。
そんな場面で飛んできたセカンドフライ。
日向は、取ることが出来なかった。
3年掛けてきた努力が無駄になった瞬間だった。

打ちひしがれる日向。
そこに現れる先輩。
「楽になるぜ」と、先輩から渡されたブツは――。

岩沢の一件で分かっていた通り、もしセカンドフライが取れたら成仏してしまう。
音無はそれが分かっていた。
しかし音無の放ったボールはセカンドフライへ飛んでいく。
あの時の場面と全く酷似していた。
必死にキャッチさせるまいと走る音無。
それを受け取ろうとする日向を――ユイが邪魔した。

4話舞台裏

今回の話は本筋のストーリーを進めたという風な感じは全くなく、だーまえらしい脚本と言った感じ。
今までの話の中でも多分1番ギャグ成分が多めの回だった。
個人的にはあまり深く考える必要もなくて、丁度いい息抜き回だったと思っている。

今回の話の中で一番着目する点は「音無が消える理由」を知ってしまったということ。
前回の岩沢の話で、SSSメンバーには生前の記憶があり、その記憶の中の無念を晴らすことで成仏してしまうという事が分かった。
となると、これからの話の中でこれがどう作用するかが見物。
日向の時と同じように、「ここに居て欲しい」という想いだけで成仏させることを長引かせるのか、そうじゃないのか。
倫理的には成仏する方が正しいのだけれど、SSSメンバー的にはエゴでそれを防いでしまう気持ちもある。
短い話の中でどこまでキャラクターたちの踏ん切りをつけさせるのか、楽しみ楽しみ。

5回舞台裏

話の概要はネタ成分多めでしたので割愛。
今回の話のメインで挙げられたのは天使こと、「橘 楓」

ここで浮上してきたのは本当にSSSメンバーが正義で天使が絶対悪なのか。
3話までの過程の中で天使が兵器を有していたのは明確になったものの、天使が本当に悪意を有していてSSSメンバーに危害を与えようとしていたのかは不明。
むしろ天使を悪と決めつけて攻撃をしかけていたのはSSSメンバーの方だった、と。
5話にしてSSSメンバーの策謀通り天使から生徒会長の地位を剥奪し、名誉も何も持たないタダの少女にしてしまった。
生徒会長の地位を奪われた天使はもう戦意すら持っておらず、SSSメンバーを華麗にスルーしている場面を見る辺りが、とても違和感。

それにしても天使ちゃん一人きりでぼっち飯なんて…。
仲間になるフラグはあるのかなぁ…。

6話考察

天使という抑止力が消えたことによって生徒会長代理が動き出してきた。
この時点で天使という存在ははたして悪であったのか?という疑念がSSSメンバーの中にもよぎる。
「生徒会長代理という存在のほうが実は悪者ではないのか」という新説が生まれ、今までの概念が覆されてしまった。
天使は一方的に攻撃する立場であったが、生徒会長代理は意図的にこちらへの行動への介入をしようとしていた。
それどころか天使は校則を守るという概念すら捨てており、暢気に主人公と食堂で麻婆豆腐を食べていたが、あっけなく二人とも独房に突っ込まれてしまう。
そこで生徒会長代理である直井は意思を持つこちら側と同じ「人間」だと発覚する。
直井は権力を用いてSSSメンバーたちを強行的な手段で蹴散らそうとしていた。
そこで天使の力を借りることを決意した。
グラウンドに出てみるとそこは血の海だった。
仲間たちは血を流し、そこには直井が立ち尽くしていた。
直井は自分のことを神だと称し、意図的にSSSメンバーを成仏させようとしていた。
直井には特殊な能力があった。
催眠術。これによって生徒会の人間を操ることも、SSSの人間の過去も掘り返しすことでいくらでも操作することができた。
しかし主人公はそれを制止した。

直井は陶芸の名士の家に生まれた双子の弟。
兄は早くに才能を開花させたが、木から落ちた事故で兄は不幸にも死んでしまった。

死んだのは弟ということになった。
自分は兄の代わりという事になり、リハビリとして苛烈な修行を積むことになった。
結果的に賞を受賞できたが兄には遠く及ばなかった。
しかし自分としてこの道を進んでいくことを決めた……その時父が床に伏せた。
僕の人生は偽りであり、僕はどこにも居なかった――――。

主人公は直井を認めた。直井の存在を。

6話舞台裏

天使を味方に付け、直井という存在も味方につけた。
これにより敵はいなくなり、SSSメンバーに残された最大の課題は「成仏」することになった。

7話考察

すっかりSSSメンバーの一員になった直井。
持ち前のスキルである催眠術を用いて、主人公の過去を意図的に取り戻すことにした。

主人公には体の弱い妹がいた。
病院に通っては妹の世話を焼いて大切にしてきた。
生きる希望もなく意味もなく惰性的に過ごしている毎日。
妹のためにバイトをして本屋で雑誌を買っていくだけの日々だが「それでも妹のためになら」と思って生きていた。

生きることに自問自答する日々だった。
クリスマスの当日。こっそり妹を夜の街に連れだした。

しかし妹は息を引きとり、生きていく理由を失ってしまった。
だが諦めなかった。誰かのために命を費やすための人生。
医者を目指して生きることを決めた――――。

しかし大学入試の当日の電車で、事故が起きた。

以降オペレーションでネタパートとなる。
しかしここで事件が起きてしまう。
天使が生み出した分身が実体化したまま二つに分裂してしまう。

7話舞台裏

半分が回想パートとなり面白い面白くないの意見が分かれましたが、このタイプの作品はあくまでも長い目で見る作品じゃないかと思われ。
一話ごとに終わるような読み切りタイプの作品なら日常系の作品でも見ればいいし、定型化してしまう展開に飽き飽きしてしまう人なら最初から肌に合わない作品なのは明確。
それでも話に緩急を付けているのでそこら辺は順応性で、割りきって見ればいいんじゃないのかと。
ここではkey恒例のグリリバ登場でファンは結構盛り上がった。
残りをギャグパートだけで占めるかと思いきや、最後の最後で赤い目をした天使が現れ、次回に期待が高まるような締め方をしていたのが見ものだった。

8話考察

赤い目をした天使の存在。
その天使はSSSメンバーが一番恐れていた攻撃的な天使の姿。
ハーモニクスによって生まれた驚異的な天使はどうして生まれてしまったのか――――。
ゆりっぺが天使の部屋に侵入し、ソフトウェアを書き換えて分裂した天使の削除に取り掛かることにした。
計画は順調に思えたが、天使は失踪した。
裏天使はどうやら地下に逃げ込んだようだった。
裏天使が更に分身し、SSSメンバーは抵抗を余儀なくされた。
少しずつ味方の数を減らしながら降下していくSSSメンバー。
最終的に残されたのはゆりっぺと主人公の二人。
最後の裏天使を仕留めるためにゆりっぺは一対一で対抗している中、表天使を見付け出した主人公は表天使にハーモニクスで元に戻そうとするが、裏天使の意思が表天使に入り込むということが意味するもは……。

8話舞台裏

展開がいくらでも読めると非難された8話でしたが、逆にここからの展開が読めない回でもありました。
「ここから天使がどうなるのか」とかそもそもストーリー自体全体の流れを知っている人間が一人も居ないわけですからどういう最終回になるのかも不明なわけです。
そもそもストーリーの出だしである「天使を倒す」というSSSメンバーの確立されていた概念はとうの昔に払拭されているわけですからね。
急展開、予測不可能ってのは上等な作品なわけです。
自由度の高いシナリオ+ひねりの利いた世界観があるからこそ、このように予測の出来ないストーリーが出来るんじゃないでしょうかね。
何でもかんでも「穴がある」と非難するのはあまり良くないんじゃないかと。

9話考察

昏睡状態となってしまった天使。
これ以上の危険を避けるために天使のスキルを一時的にでも封じ込めることにした。
天使の横で寝ている主人公は再び過去の夢をみる。

目が覚めると全てが崩れていた。
電車を降りて何が起きたか確認する……崩壊事故だった。
そこで五十嵐と名乗る同い年ぐらいの学生と協力し、音無は生きている人間の救助にあたった。
持ち前の医者志望のスキルを用いて、手際よくその場を取り仕切り、リーダーシップを発揮した。
しかし現実は熾烈だった。
入口も出口も塞がれ、自分の身体も芳しくない状況。

二日目。
限りある食料と水を割り振り、五十嵐と協力して献身的に勤めた。
水を強奪しようとするものが現れた。
空気は少しづつ淀んでいた。

三日目。
けが人の一人が意識を失ったまま、動かなくなった。
蘇生を試みたがそれはもう手遅れだった。

四日目。
既に生き埋めになった人間は虫の息だった……。

七日目。
生きる希望を失い、走馬灯が見え始めていた。
そこで音無は「ドナー」という単語を思い出す。
臓器を提供すればまた助かる命がある――――。
主人公はその思いを胸にドナーカードに承諾のサインを記す。
その想いに心打たれた周囲の人間も、最後の希望を託してドナーカードに承諾の印を付けた。
外からの救助が来る一歩手前で、音無は命を引きとってしまった。

目が覚めると天使が目覚めていた。
音無は天使にそのことを話した。
医者になりたかったこと。
誰かを救いたかったこと。
記憶を取り戻したことで、誰かのために生きれたと思えたこと。
音無と天使はSSSメンバー達のために尽力することを誓った。
そして天使は潔白が証明されて生徒会長として復帰することが決まった。

9話舞台裏

音無の過去が明かされて、7話での伏線が回収された回でもあり、ラストへの伏線が張られた回でもあった。
それに加えて、今までのストーリーの理不尽さも全て回収された重要な回だった。
参考になったかもしれない北海道・古平町トンネル崩壊事故
この世界はそもそも成仏できなかった若者たちの魂の救済所でもあった。
人生の理不尽に巻き込まれてこの世界に落ちてきた。
天使はそもそも此処に来る人間のほんとうの意味を理解していた。
「青春を謳歌できなかった人間が来る」ということを。
天使はその夢を叶えるためにSSSメンバーの夢を叶えさせてあげたかったが、結果的に対立することになってしまっていた。
それが前半で対立していた本当の意味だった。
この回はAngel Beatsにおいて一番大事なんじゃないかと。

でも全員が全員ドナーカード持ってるのはちょっと笑った。

10話考察

音無が最初に目をつけたのはユイだった。
茶番を繰り広げ、ユイとふたりきりになることを決めた音無。
だがユイはどうやらやりたいことが山積みらしい。

小さい頃に自動車から追突され、介護なしでは生きてられない状況だった。
歩くことも出来ず、ベッド生活。

そこで見えるテレビだけが世界の全てだった。
バンドや野球、サッカー、プロレス。
全て自分のやりたい事になっていた。

しらみ潰しに出来ることから達成させようとさせる音無。
ジャーマンスープレックスを受けたり、SSSメンバーを集めてサッカーをしたり……。
場外越えのホームランはなかなか出なかった。
しかし数日それを続けて少しづつ様になっていた。
だがユイは諦めようとしていた。身体が動かせるときにしたかったことはほとんど出来たから。
でも最後にユイは結婚がしたかった。
「じゃあ先輩、私と結婚してくれますか?」というユイの問に日向が割り込んできた「俺が結婚してやんよ!」と。


Cパートで突如として現れた影とは……?

10話舞台裏

ユイに焦点を合わせた今回。
結婚してやんよ!というフレーズがしばらくブームになったり、茶番だとの非難もあったりで9話から続いて視聴者を賑わせた回でもあった。
見方によれば短絡的なシナリオでもあるかもしれないが、ベタな展開だからこそ胸をうつものがある。
だーまえの過去の日記の中にこの回の記述があり「閃いた」というような感じで記されていたこともあって、アンチからは「あぁやっぱり」みたいな事も言われてましたけど、要は形になるかならないかが全てじゃないかと。
結果的に視聴者からすれば印象的だったことに変わりはないのだから、そのシナリオに時間をどれだけ要したかはさほど問題じゃないでしょうね。

11話考察

前回のCパートで突如として現れた「影」。
それは学園の中で不意に現れて人間を取り込もうとするものだった。
SSSメンバー総力を決して影の殲滅に取り掛かった。
しかし高松が影に食われてしまう。
影に食われた高松はどうやらおかしい……完全に人間の時の記憶がなく、NPCの一人と化していた。
ここまで来るとやることは一つ。
意図的にSSSのメンバーを成仏させていこうということだった。
影に食われるぐらいなら……という考え。
みんなは次第にその考えを呑もうとしている最中、再び異変が起きる。
図書館のパソコンを誰かが取っている、NPC達に意図的に誰かが介入しようとしていたのだ。

11話舞台裏

特にこのときは荒れてなかったのですが、これで次回最終回でもいいんじゃないのか?
という意見があったのは覚えてます。
しかし新たなキャラ登場の予感で再び視聴者が困惑。
予想外な展開が付き物の作品らしいというべきでしょうかね。

12話考察

SSSのサブキャラクター達が覚悟を決めて次々に成仏していった。
しかし事態は収束していなかった。
「影」が再び出現し、主要メンバーたちが抵抗を始めた。
山篭りした松下五段も戻り、ラストへの盛り上がりや期待感が高まる。

ゆりっぺは一人で謎の介入者への接触を試みようとしていた。
地下へ降りて影を一掃していたが、気を抜いてしまい、影に飲み込まれてしまう。
そこでゆりっぺはNPCと化してしまいそうになるが、間一髪で抗い、人間の意志を取り戻した。
最終的にSSSメンバーと合流しラスボスの部屋、いわゆる「神」の領域に入り込んだ。

12話舞台裏

ラスボスの登場により一気に視聴者の意表付く形に。
尺的にも確かにこのまま全員成仏じゃ味気ないですもんね。
ラスボスのしてきたことはプログラミング(マテリアル)の構成や、エンジェルプレイヤーの開発者でもある。
ラスボスの持論もまた視聴者の度肝を抜いた。
「愛が芽生えた事がこの世界を狂わせた」と。
抽象的な発言が出たということは鍵っ子ならだれしもが分かるであろうだーまえの意図的な伏線。
あまりにも突拍子も無い台詞や幻想的な台詞はCLANNADでも用いられたようにラストや、作品の真意が込められており、視聴者もこの展開への賛否は両論。
しかしだーまえがどういう風にシナリオを構成するか、ということを知っている人間にとっては「ちゃんと意味がある」と思って喉元に留めておくでしょうね。

13話構成&舞台裏

ラスボスを仕留めてから三日後の話。
最後に残されたSSSメンバー達はこの世界から卒業しなくてはならなかった。
みんな一緒にこの世界からの卒業(成仏)する必要があった。
体育館でも小さな卒業式。
最後に残ったのはゆり、奏、日向、直井、音無の五人。
ここからの展開は本物の卒業式と同じように校歌斉唱、卒業証書授与式など(ギャグありで)が繰り広げ、尺の無駄遣いという意見もあったが、今の今まで急展開続きで落ち着いて見れなかった人にとっては唯一のんびり見れるラストと言い換えても良いかと。
まぁ茶番臭いのは否めないのだけども。

直井から消え、葛藤の無くなったゆりっぺが消え、日向が消え――――。
音無は奏に「ここに残らないか?」と提案する。
再び此処に来る人の救済をするために、と。
しかし奏はその願いを断る。

奏は音無の心臓で生き長らえる事が出来た女の子だった。

9話で音無の過去が発覚したとき、音無は奏の鼓動を聞いていた。
奏は1話の時点で音無に心臓がないことを知っていた。
音無が記憶を取り戻したとき、この人が自分の命を助けてくれた人物なんだと気付くことが出来た。
奏はその命の恩人に「ありがとう」と言うためにこの世界に落ちてきた人物だった。

細かいこと色々

人生の賛歌がテーマになっているとだーまえや関係者は語っており、命をテーマにした今作。
当初の展開の概念が覆されたり、とにかく急展開が多かった所に目がつく作品でもあった。
その為、視聴者からは脈絡の無い展開が山ほどで糞アニメと称されることもあった。
『Angel Beats!』矛盾点・疑問点まとめ 多すぎ、細かすぎワロタw
Angel Beats!についてそろそろ結論を出そう
自由度の高い世界観に付け加え、影の存在やラスボスの唐突な出現など、矛盾点を生み出すような存在はいくらでもあったが、一応どれも理屈の上に成り立っているのがわかる。

ラスボスの存在は天使の存在を裏付ける存在じゃなかったのかと。
そもそも天使は成仏できずにこの世界にきたのか定かではなく、不確定因子なんじゃないのかと。
第一音無の出現タイミングと天使の出現タイミングには大幅な相違があり、天使は音無の出現を待っていたのではないかと思う。
天使は最初からというより、この世界の仕組みを理解していた。
その為SSSメンバーと衝突し抗っていた。
そうなる過程は本編では不明なもののゆりっぺがこの世界にでてきた瞬間には既に天使はいた事になる。*4
天使は礼を言うためだけに存在していたのかもしれない。


とりあえず長々となるんで、書き始めたらキリがないです。
言えることは本人が見て、本人がどう判断するかです。
その後のこの世界では音無が生き残り、この世界を統括しているらしい。
後日談ではそう描かれ、ゲームはここからのスタートとなるとのこと。


ゲームすれば矛盾や全ての謎が解けるんじゃないですかね。
これはプレイしてからまた書き連ねられなかった事をまた長々と書くことにしましょうか。

*1:正確には一話以降で批判する人がアンチかな?

*2:動きと動きの間の一瞬の静止画

*3:麻枝さんのシナリオのモブキャラもしっかり動かすため一万枚を使用しているらしい

*4:ゆりっぺが指揮を執っていたのだからこの理論は納得がいく