「ファインマン分」

はてなブックマーク - YouTube - 視点・論点「まん延するニセ科学」


 大阪大学菊池誠氏の解説による、NHK 視点・論点まん延するニセ科学」が、YouTubeにあがっていて話題になっている。

 これを何回か見ていてふと思い出したのは、ノーベル物理学賞受賞者リチャード・P・ファインマン氏の、カリフォルニア工科大学での1974年卒業式式辞、いわゆる「カーゴ・カルト・サイエンス」だ。
 式辞では、自分の体験したエピソードを面白おかしく紹介しながら、「科学的良心」について卒業生に語る。
 ある意味「面白おかしいファインマンのエピソード」の部分を抜いて堅苦しくしたのが菊池誠氏の解説、というとちょっと失礼か。


リチャード・P・ファインマン - Wikipedia
Richard Feynman - Wikipedia
Cargo cult science - Wikipedia
カーゴカルトとは - はてなキーワード


 英文はカリフォルニア工科大学のサイトにあった。
 カリフォルニア工科大学 - 式辞の内容のPDF : http://calteches.library.caltech.edu/51/02/CargoCult.pdf


 スピーチすべての訳文はネットにはない様だけれど、有名な文章なので部分的には見つけることができる。


カーゴ・カルト・サイエンス - Google 検索
Radium Software Development : Cargo Cult Programming


 自伝的エッセイ集「ご冗談でしょう、ファインマンさん」の下巻最後には「カーゴ・カルト・サイエンス」という題でこの式辞が収録されている。


ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈下〉 (岩波現代文庫)

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈下〉 (岩波現代文庫)


 大学の図書館で陰鬱としているときにこの本を見つけて、一気に読んでしまった。


 ファインマン氏の面白いのは、ただ単に「怪しいもの」(オカルトやニューエイジなど)を頭ごなしに否定するのではなく、実際にそれを体験しようと、たとえば「瞑想用の水槽」にもぐったりしていることだ。
 「好奇心」、「行動力」、そしてそれらを支える「知識」。
 今は、「ファインマン分」が足りないのかもしれない。
 今度また読んでみよう。