今日も授業

そろそろ進級か退学かという学期も終盤に近付いてきた。
将棋と同じく、学期の終盤力というのは大学生にとって非常に重要である。
なにせ終盤できっちりしなければ、これまでどんなに授業に出席していようが、実験に参加していようが、
すべてが水の泡になるからである。とにもかくにも食らいついていく終盤力。
何のために?別に何のためでもない。ただその中で苦しむ私が存在しているのみである。
別に学びたいことを学んでいるとは決して思わない。
昔はこの点がとても気にかかった。この大学は私の人生において必要な課題を与えているとは正直思えない。
ただただ世俗的なキャリアを積むことにのみ、今の実学系の大学というのは意味がある。
そう考えると、またまたむかむかして放り出したくなる。


思うに、やらなければならないことが増えると、こういう風に大学嫌いが発動するようである。
イライラしないで、やることやればそれでよい。
もうそんなことは考え飽きた。どうでもよい。
しかし、何かが引っかかる。上手くいっていないせいかもしれない。


複素解析の授業は、複素積分とその複素積分の実定積分への応用までが試験範囲である。
中間試験は甘く見ていたので極めて点数が悪かったが、期末試験でなんとか挽回せねばならない。
今日は、朝一番のこの複素解析の授業に遅刻しそうになったが、なんとか間に合い、最後の重要な参考問題を解き、
期末試験に臨む次第である。この間のように、試験開始何分前からレジュメみて解くなんて馬鹿なことはしてはならない。
きちんと前日から参考問題をすべて解き、試験に向かうことである。
来週が試験で、やっつけなければならぬ。


複素解析は以前自分で勉強した覚えがあるが、(担当の非常勤講師の授業が分かりにく過ぎて)
そのよい復習になったというより、複素解析について多少慣れた。
春休み、複素解析数学書をひとつ読もうかと思っているが、多分就職活動にやられてたぶん無理かもしれない。
読みたい本はこれ。


複素関数入門 (現代数学への入門)

複素関数入門 (現代数学への入門)


次の時間は統計力学。ほとんど半導体工学とか量子力学でやった内容だった。
金属というのは、エネルギーギャップがない。
半導体というのはエネルギーギャップがある。
シリコンなんかは半導体であり、エネルギーギャップがある。
その数eVのエネルギー幅が可視光を吸い込む。
そうするわけで、シリコンというのは黒く見える。(可視光が吸い込まれて我々の目ん玉に入ってこないので)


ダイヤモンドはシリコンより大きなバンドギャップを持っている。
それは可視光の数eVというエネルギーを超えたバンドギャップで、このバンドギャップを飛び越せるくらいの
光でなければ吸収しない。
ゆえにダイヤモンドの向こうから私たちの目の方向に飛んでくる光は、ダイヤモンドのバンドギャップに吸い込まれないで、
我々の目ん玉の中に入ってくる。
そういう理由で、ダイヤモンドは透明である。


アルミニウムの酸化物の結晶というのは有名なルビーやサファイアに密接な物質である。
クロムかチタンをこの結晶に添加すると、対応関係はしらないけど、ルビーやサファイアになる。
(調べたらすぐ分かるけど、面倒くさい)
サファイアは青いが、青以外の可視光のエネルギーを吸い込むバンドギャップを持っている。
ルビーは赤いが、赤以外の可視光のエネルギーを吸い込むバンドギャップを持っている。
バンドギャップから、サファイアとルビーの色の秘密を説明できる。


とりあえず統計力学で読みたいのは、これ。入門書だけど読みたい。
でも多分複素解析と同じになるだろう。


熱・統計力学の考え方 (物理の考え方 3)

熱・統計力学の考え方 (物理の考え方 3)


春休み、自分で勉強するとしても、電気回路と電磁気学になるだろう。
電磁気学は多分やると思うけど、そろそろ砂川先生のテキストシリーズをやりたい。


電磁気学 (物理テキストシリーズ 4)

電磁気学 (物理テキストシリーズ 4)


就職の授業はあったけど、久しぶりにさぼった。
さぼりはいかんよ、さぼりは。


それでも複素解析統計力学は、導入としては非常に役立つ授業だった。
担当教授に感謝。両方面白かった。



(追記)


12月の終わりのほうからいろいろなことがあったけど、(私の退屈な人生の中では色々あったほうである)
もやもやして言葉にならなかった気持ちは、この「愛燦燦」に唄われていた。
要するにこういうことだなぁ。
なんか変に難しくして考えるから、おかしくなる。
世の中もそうだ、なんか細々とした本筋ではないことに気を取られて、見えなくなって苦しくなる。


煙草を吸いながら、部屋を暗くして、この歌を聴いていたら、なんか精神状態が随分と良くなった。
歌は偉大である。
最近の音楽なんて見せかけだけは格好よくデフォルメされて、肝心なものが入り込んでない。
要するにこういうこと。精神がぎすぎすしてきたらこの歌を聞こう。


この歌を聴いていたら、私がこれから送るべき人生というのがぽつぽつと思い浮かんだりしたのである。
関わるべき人とかね。やるべきことも、私が格好付けで選んでいることとは違う。
格好付けで自分を解放しないで変に制御するからおかしな方向に行ってしまう。


今度何かあったら、北に一人旅にでかけようかなぁ。