未知への飛行

 朝、CATVで放映していたのを見る。ヘンリー・フォンダ主演、シドニー・ルメット監督の偶発核戦争モノ。原題の「FAIL SAFE」のほうが映画のテーマを象徴している。同じカテゴリーに、ピーター・セラーズ主演、スタンリー・キューブリック監督の「博士の異常な愛情」があるが、同じ題材でも、かたやシリアス、かたやブラック・コメディ。監督の個性の差だなあ。しかし、どちらの映画も、国防総省の高級スタッフに足の不自由な人がいる。「未知への飛行」は国防長官は松葉杖をつき、「博士の異常な愛情」のドイツ系安全保障顧問の博士は車椅子に座っている。だれか、モデルでもいるのだろうか。「博士の異常な愛情」の博士は、フォン・ブラウンキッシンジャーを足して二で割ったみたいな雰囲気だったけど。でも、ブラウンもキッシンジャーも車椅子は関係ない。

日本も二極化が進んでいく

金融広報中央委員会(事務局・日銀情報サービス局)の家計の金融資産に関する世論調査2005年版によると、貯蓄を「持っていない」と回答した世帯(2人以上)が22.8%を占め、1963年に調査を始めて以来最高になった。04年から0.7%上昇した。一方で日本の富裕層は世界で2番目に多いとの指摘もあり世帯間で2極化が進んでいる。

 所得の二極化が進んでいる。中流社会主体から上流と下流のふたつへと流れていくのだろうか。どうも主流は下流で、下流は支流のようにみえてしまう。日本人は貯蓄好きというのも、経済が成長していてこそ、成立したのか。大量生産社会は均質な労働力を大量に必要とするので、中流を支える所得が社会に広がるのだろうが、知識経済社会では一部の能力に依存することが多く、そうした所得の分配効果はないのかもしれない。知識はソフトだから、工業生産と違って、簡単に国境を越えてしまうし、世界に資源を求めることが容易だし。ということで、日本も二極化かあ。