週末の記録



日曜日もまだまだ暑い。下見がてらのランステ帰りの同居人と待ち合わせて(私も行く予定がしばらく走っておらず断ったから一人で「下見」ってこと)、新宿各デパートの北海道展めぐり。先週もちょこちょこ寄っては、小田急に出店してた「六花」の冷たい鮭ラーメン(見た目がきれい)や伊勢丹のレディ・ローマのジェラート(えびすかぼちゃと白桃に、おまけの北海道ミルク)を食べたりしてた。
小田急→京王→伊勢丹の順に回って、魚や肉類、ラーメンなど色々購入。写真下は、京王プラザホテル札幌の冷たいチーズフォンデュ(まずはパンが美味)と、伊勢丹に出店してた「パパラギ」の生シュークリーム(私にはちょっと乳臭かった)。
帰宅して、買ってきた大きなホッケを焼いて冷汁を作る。食べて昼寝してから、銀座に出てお茶。


その後、シネパトスにてケヴィン・スミスの新作「コップ・アウト デカした奴ら」。公開二日目、夕方の回は10人程度の入り。
「古きよき」80年代コメディへの愛がベースとはいえ、「お騒がせコンビが署内を闊歩する」オープニングのあまりの安さにおののいたけど、その反動か、以降は楽しく観られた。ただし宣伝で強調されてた「映画ネタ」はダサい上に尻すぼみ、ないほうがいい。ショーン・ウィリアム・スコットが美味しい役どころで出演、ラストも持ってく。
途中不意に、ジョン・バダムの「張り込み」を観たくなった。深夜テレビで見かけたらやめられなくなっちゃうような映画。彼の刑事もの?なら「ハード・ウェイ」も好きだったな。前にも書いたように、マイケルは著書でこれをけなしてるけど…

張り込み [DVD]

張り込み [DVD]

フェアウェル さらば、哀しみのスパイ



ソ連崩壊の切っ掛けになったと言われる「フェアウェル事件」の映画化。
とても面白く観た、こういう映画って好きだ。


81年のモスクワ。KGBの幹部グリゴリエフ大佐(エミール・クストリッツァ)は祖国の将来を憂い、体制打破のため西側に情報を流していた。あるとき接触場所にやってきたのが、上司の命を受けたフランス人技師ピエール(ギヨーム・カネ)。大佐は素人の彼をこの仕事のパートナーに決める。
冷戦時代のスパイもの、ダメ押しにバス停に「こぐまのミーシャ」のポスターが貼ってあるので、「エロイカより愛をこめて」を読み返したくなってしまった(笑)


二人の顔がでかでか載ったポスターの通り、奇妙に深い男同士の絆が味わえる。「ペンタゴンエアフォースワンの情報だぞ(すごいだろ)」「見返りはいらない、お前がスパイになりさえすれば」「お前は話す相手がいるからいいが、俺にはお前しかいない」…一匹狼がウブな素人をかどわかしてるようにも見えるけど、次第にその仲は分かち難くなっていく。大佐を演じるクストリッツァ日野日出志の絵みたいな顔だけどチャーミングだし、ピエールの、車の窓から書類を飛ばしてしまうドジぶりや、アドバイスを素直に聞き入れ監視対策に頑張る姿なども愛らしい。


ピエールが自宅の盗聴対策に音楽を流しているため、当時の曲がBGMとしてそのまま聴ける。状況を考えたらなんだか妙だ。二度目に顔を合わせた際、カーラジオから流れるのんきな「steppin' out」も可笑しい。グリゴリエフの長男は「腐った西側」の音楽に憧れ、部屋にボウイの写真を貼り(「aladdin sane」の頃)、クイーンの歌真似をする。ソニーウォークマンがでかい!


ミッテランゴルバチョフ、「おれはUSAのボスだ」と威張るレーガンなどが登場。レーガンはとりわけ馬鹿っぽく描かれており、部下の前で自分の昔の出演作ばかり観ている。出演していない「リバティ・バランスを撃った男」について、「私にもオファーが来たけど実現しなかった、視点が変わると物事は変わって見える」と語るシーンが面白い。


一見ちょい役のCIA長官をウィレム・デフォーが演じているので始め違和感を覚えたけど、ラストシーンで、大佐と正反対の人物として置かれた要の役どころだと分かる。いわく「民主主義は市民の信頼あってこそ」…つまり彼は完全に「市民」ではない立場なのだ。雪に消えた大佐の姿が目に残る。