オーケストラ・スタディ

以前記した『ナクソス島のアリアドネ』というオペラを紹介したが、それを作曲したドイツの作曲家リヒァルト・シュトラウスのオペラの一番の代表作はやはり『サロメ』だろう。(ばらの騎士も代表作だが・・・どちらも有名なオペラで、どちらもオペラの中でフルートソロがある。
 話はちょっと変わるが、僕が留学したドイツでは、オーケストラに入る事を第一義にしていたので、レッスンでもそしてオーケストラの試験でも、そして卒業試験でもオーケストラスタディがある。オーケストラスタディ?これは、いろいろなオーケストラ曲の中のソロ部分が満載の練習曲集なのだが、あらゆるオーケストラの楽器ごとにその練習曲は存在する。(われわれはオケスタと略称して言っている)オーケストラの曲は本当に難しい。何故なら作曲家たちは楽曲全体を考えて創作している訳で、その楽器の性質(音質や表現)を考えているのであって、その楽器にとって「この音域は難しいよなあ〜とか、この旋律をフルートで吹かすか?)なんて曲が満載なのが前出のオケスタなのだ。
 わかる人はわかるで、本当に難しい曲を一応いくつかあげると、モーツァルトの『魔笛(ピッコロ』から、ベートーヴェンの『英雄(第4楽章)』から、メンデルスゾーン真夏の夜の夢スケルツォ)』から、ドビュッシー『牧神の午後への前奏曲(冒頭)』などある。これらの曲は試験や本当のオーケストラて入団試験でもよく出る。それに加え、オケスタでもっとも出てくるフルートソロで、その為に良く練習した曲がリヒャルト・シュトラウスのオペラ『サロメ』と『ばらの騎士』だ。モーツァルト以来なかなか名曲が無い「オーボエ協奏曲」や「ホルン協奏曲」などの名曲を残していてそれぞれの楽器の演奏者の重要なレパートリーになっている。彼は楽器を知り尽くしていたのだろう。フルートのオケスタも難曲ながら音楽的にはいい曲なのだ。