それは現実で起きている事


 取り扱うにしても、もう大概情報が遅いんですが…
 児童ポルノ改正についての審議が先の6月26日に行われ、その様子について、blog、ムービーサイト等で様々に取り扱われているようです。


 一言で言えば、噴飯もの、という古典的な表現がぴったりの茶番だったそうですが…




 私も実際の審議の様子は、参考人として呼ばれていた、アグネス女史の演説と、葉梨議員の政治家詭弁のムービー位しか見てませんが、かなり、胃に来る内容です。
 アグネス女史は、今回の法案を推進する根拠との関連性がかなり怪しい外国(タイ)の悲惨な児童売春の事例を垂れ流すだけ。
 自民の葉梨議員は民主の枝野議員の指摘にまともに答えもせず、

・よく分からないメールが来たらポルノだと思って対処するのが当然、開ける前に分かる。
→間違ってクリックした事も認めない?

・18歳未満の裸が映っているかも知れないコンテンツは、過去のものも含め、1年間の猶予期間以内に全て確認し、怪しきは廃棄すべき。
→遡及しちゃってるし…それに、日本の場合、法の精神は“疑わしきは罰せず”じゃなかったっけ?
 こんなのが認められたら、韓国の親日者財産没収法を笑ってる場合じゃありません。


 というか…こんな法律を推すって事は、日本版文化大革命でも起こしたいんでしょうか?
 集積した書籍に火を放つまでいけば、昭和の悪書追放運動みたいですが、それに、クリエイター達を襲撃する連中が出れば本当に文化大革命っぽいな。
 流石に日本じゃ流石に消防法でイロイロ言われるので、もう道端とか空き地に積まれた本やDVDに火を放って勝利の宴、なんて事はないでしょうが…廃品回収業はフル回転だろうなぁ。
 クリエイター達も打ち殺されて焼き肉にされる事はないけど、仕事無くなったら死ぬのは変わらないか、社会的抹殺。


 細かい情報は、各リンク先のページ様方をごらん頂いた方が良いと思います。
 あと、ニコニコの審議会の動画どれかとか。


 とりあえず、


・ちゃんと選挙に行って、無茶な規制に反対してる議員さんに票を入れる。
・礼節をまもり、冷静に主張を述べたメールを議員さんに送り、主張を後押しする。
・実情を、分かり易く情報拡散させる。


 その辺が肝要な様です…


『選挙に行こう』
http://www.geocities.jp/sen7743/


表現規制について少しだけ考えてみる(仮)』
http://otakurevolution.blog17.fc2.com/


『サイバーアナーキズム
http://d.hatena.ne.jp/blast-off/


 しかし、ネットでは、偽ユニセフこと、日本ユニセフに対しての怒りの声が多く、私も余り良い印象を持っていませんが…ユニセフ自体も、創作物の規制には賛成の方針という噂を聞きます。
 確かに、立場的に肯定はしにくいだろうなぁ…とは思いますが。
 ま、とりあえず、日本ユニセフに、名称を使うなとも言わず容認してる辺りで、ちょっと黒いので、ユニセフを全面的に信じるのもアレだとは思います。
 よく分からないので、募金する気が起きたら交通遺児基金とか、自殺者遺児の基金に送金しておく事にしようかな…


>以下、児ポ法には直接関係ない戯れ言


 ついでに言えば、先日、女性の人身売買や児童売春用の匿名通報制度「匿名通報ダイヤル」がWEBによる受付を初め、24時間化される事になった様です。
 電話による運用は2007年には始まっていた様ですが…
 人身売買と売春なんて、組織が絡んでいる様な犯罪は、確かに報復が怖くて通報できないとか、色々な事情がありそうなので、匿名性の確保で情報が集まりやすくなるという点では評価できる制度ではないかとは思います。
 検挙に繋がる様な役に立つ情報が入ったら10万円支給される…というのは、検挙された場合、通報者が名乗り出てくれるのを期待しての制度なのかしらん…?
 いや、それとも、実際には名前まで聞いているのに、それは公表されないから匿名、って事なのか。
 …それじゃ、匿名ダイヤル、にした意味が薄くなるから、ソレは無いのか…


 報奨金が出たり、何故か民間団体に委託されていたり色々ありそうですが、その点は見なくても、制度的には一定の効果は認められそう。
 しかし、問題は、これが突破口になって他の犯罪分野に拡大されていく事だと思います。
 匿名密告で警察がどの分野でも捜査できるとなれば、極端な想定をすれば、自作自演による捜査や別件逮捕が容易になりますから。
 まぁ…日本の警察さんは、立件できない事例を持ち込むと現場がこっぴどく怒られて出世に響くらしいので、極端に件数は増えないかも知れませんが…
 児ポ法みたいな(殺人、監禁等に比較して)微罪と結びついて、匿名通報による家宅捜索、荷物検査が既成の対応事例として浸透したら、警察には便利に使える道具が又一つ増えるなぁ。
 実際、職務質問による強制的な身体、荷物検査と逆らう民間人への公務執行妨害の運用は現場警官の胸先三寸らしいし。
 50年前とか、どっかの第三国みたいに、警官を見たら逮捕されると思えって時代が来なきゃいいんですが…
 いや、もう来てるといえば来てるのか。


 おまわりさんは正義のヒーローだと信じていた、そんな純真な時代が私にもありました…


 警官も職業であり、生活もある事を理解すると、過度の期待と過剰な信頼は酷な事なんだなぁ、思います。
 必要な権限はしっかり与え、同時に公使に関してもしっかり監視もする…当たり前の事が出来ないと信頼は成り立たないだろうなぁ。


『はじめにやつらは共産主義者に襲いかかったが、私は共産主義者ではなかったから声をあげなかった。
つぎにやつらは社会主義者労働組合員に襲いかかったが、私はそのどちらでもなかったから声をあげなかった。
つぎにやつらはユダヤ人に襲いかかったが、私はユダヤ人ではなかったから声をあげなかった。
そして、やつらが私に襲いかかったとき、私のために声をあげてくれる人はもう誰もいなかった。』


「彼等が最初共産主義者を攻撃したとき(First they come for the Communists)」
フリードリヒ・グスタフ・エミール・マルティン・ニーメラー


 ニーメラー牧師は、ドイツの著名な神学者で、ルター派の牧師さんです。
 手垢がつく程に、東西の政治キャンペーンで改変と引用が繰り返される、反ナチの詩を詠んだ方ですが…
 上の詩をぱっと流し見しただけだと、意外に感じられる事ですが、最初は保守派でヒトラーの支持者だったそうです。
 …いや、単に私の読解力不足というのもありますが。
 告白教会の創始者となり、ドイツのプロテスタント教会のナチ化に反対し続けた結果、悪名高きナチの収容所送りになり、辛くも生き残って解放されるまで、ザクセンハウゼンダッハウの2カ所の収容所生活を強いられたという話ですが…
 上の経歴を見ると、後に反戦争、反核活動に従事されたというのも頷けます。


 ニーメラー牧師の経歴を踏まえて、上の詩を読むと…成る程、最初は自分の立場としては、関心の無い(或いは不快ですらある連中)がやっつけられている様を傍観し、(無言であれ)肯定すらしていた自分も、ナチの狩りの対象であった、という皮肉な話っぽく読めます。


 しかし…最初からそこまで読んでなかった私の国語力はかなり壊滅的だな…


 今なら、差し詰め…


『官憲がナイフ愛好家達を職質で締め上げている時、私はせせら笑っていた


 彼等を通り魔予備軍だと思っていたから


 自称人権団体と政府がまともな根拠も無しにアダルトゲーム業界に“自主規制”を強いた時、私はニヤニヤしていた


 だって、オタはキモくてウザいから


 官憲がわざわざ“秋葉原で”たちばな書店の店主を逮捕したニュースを私は読み流した


 殊更、漫画にもエロ本にも興味は無く、単なるエロ本屋が捕まっただけだと思ったから


 児童ポルノ規制法が成立した時、私はよく分からないがいい気味だと笑った


 内容はよく知らないが、名前からはどうせ困るのはキモオタと小児性愛者だけだと思ったから


 我が子や、自分の幼い頃の水着姿の写真を所持していた科(とが)で逮捕者が出た時、私は初めて、それは児童ポルノじゃないと主張した


 私は初めて詳しい法案の内容を知った、だが、一度成立した法案はどうする事もできなかった…』


 むぅ…我ながらひどい改変だな…
 やはり、各々で、原文とか、訳文を読んで考えて貰った方が良さそうです。
 ことある毎にさんざか引用され続け、戒めとされるにはそれなりの理由があるわけなので。


 まとまらずに終わる…orz
 つくづく、ちゃんとした作文はできないと実感させられるなぁ…