対米開戦方針、ソ連に伝達 日本政府中枢に大物スパイ存在

http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20050813/eve_____kok_____000.shtml

エコノミスト」の報告は、元海軍次官で機密に通じた重要閣僚の発言を詳細に報じ、御前会議の決定をおおむね先取りしており、対独戦に専念するため日本の対米開戦を期待していたソ連指導部には、極めて貴重な情報だったとみられる。
エコノミスト」の正体は不明だが、大臣の昼食に同席、または会話内容を直接知り得る立場にあったとみられる。
東京のソ連大使館にいたNKVD要員ドルビンと連絡しており、外交団と公に接触できる高い地位の公務員との見方もある。

「大臣の昼食に同席、または会話内容を直接知り得る立場」ということになると、それだけで、かなり対象は絞られるでしょう。
エコノミスト」の報告内容が、一定数、資料で裏付けられれば、どの報告についても関与できた者はさらに絞り込めるはずですから、特定できる可能性もあると思います。
終戦までに、重要な情報が、かなりソ連へ抜けていた可能性が高く、そういった情報が、ソ連の対日政策、ヤルタ会談における密約、日ソ中立条約破棄、対日参戦に大きな影響を与えていた可能性もあると思います。私にとっても、ちょっとショックなニュースでした。

“元同僚”パイロットが語る日航機墜落20年

http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20050812/mng_____tokuho__000.shtml

亡くなった機長の生前の人柄がしのばれるとともに、この事故から何を学び取れるか、学び取るべきかも考えさせられる、非常に良い記事だと思いました。

「JALに行ってキャプテンになる」と夢を語っていた高浜機長は、夢を果たし、懐の深い、優しさを持った人間になっていたという。

本当に惜しい人を亡くしたという思い、こういう人でも墜落は避けられなかったのかという残念な気持ち、そして、絶望的な状況の中で、これほどの機長が懸命に「生」へ向けて努力したことに感じる一種の救いのような気持ちが交錯するような気がします。

「安全とは、安全ではない要素に近づかないことなんですよ。例えば、天候が悪くて着陸できないとき、できないと言うと憶病と言われることがある。でも、私は憶病になればいい、と言ってきた。『おれならできる』と思うから事故になる。それぞれの人が、不安な要素を避けることです」

ここを読んで、青函連絡船洞爺丸沈没事故を取り上げたノンフィクション作品「洞爺丸はなぜ沈んだか」を思い出しました。
以前、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20040813#p4

でも触れましたが、上記の作品中、青森港で台風が過ぎるのをじっと待っていて沈没を免れた羊蹄丸(だったと思います)の船長が、事故を振り返るシーンがあり、自分は本当に勇気があったのだろうか、単に臆病だっただけではないか、と自問自答するところが非常に印象的でした。
やはり、多くの乗客の命を預かるような立場では、「臆病」と言われても、万事、慎重に臨むということが求められるのでしょう。

無断でカルテ開示 草津の女性 開業医を損賠提訴

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2005081000042&genre=D1&area=S10

訴状によると、女性は2003年5月に交通事故で首を負傷し、大津簡裁で示談金をめぐって保険会社と調停中。簡裁は今年6月、保険会社の申し立てに基づいて、女性が治療を受けた開業医師に任意でカルテの提出を求める文書送付嘱託を送り、医師は同月中旬、女性に無断でカルテを簡裁に提出した、という。
女性は「医師には守秘義務があるのに、本人に同意を求めることもなく診察内容を開示した。裁判所の文書送付嘱託に法的強制力はなく、プライバシーの侵害に当たる」と主張している。

同様の問題状況は、インターネットのプロバイダについても生じることがあります。文書送付嘱託とか、同種・類似の照会等を受けた場合に、プロバイダとしては、「通信の秘密」との関係で、悩ましい問題を抱えることになります。
「強制力がないものに応じれば、常にプライバシーや通信の秘密の侵害」とするのも行き過ぎと思いますが、照会等に法的根拠さえあれば何でも回答して良い、とするのも乱暴な話で、結局、ケースバイケースで判断するしかないのかもしれません。

「ドラッカー20世紀を生きて 私の履歴書」

ドラッカー20世紀を生きて

日経の「私の履歴書」で連載されたものをまとめ、解説等を付したものです。連載中から興味を持って読んでいましたが、本として出版されたものを改めて読んでみると、ドラッカー教授の奥深さ、洞察力に感じ入ります。
ドラッカー教授が、ナチスについて、極めて早い時期から、その危険性を見抜き、繰り返し警告を発していたことも本書では紹介されており、「マスコミは真剣にヒトラーを取り扱わなかった。もしヒトラーの危険性を認識し、キャンペーンを展開していたら、ナチスの政権掌握は阻止できたかもしれない。」という教授の述懐も紹介されています(60ページ、61ページ)。
真実や真の洞察というものが、いかに孤立無援で孤独なものであるか、そういった真実や真の洞察が取り上げられなかった時に歴史がいかに暗転して行くか、そうならないためにどうすべきか、ということを、改めて考えさせられました。

「8・15」警戒 中国、反日デモ防止へネット監視

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050814-00000011-san-int

「八一五愛国反日連盟陣線」が七日、日系企業の多い大連で反日ビラを配布する要員を募集したが、数日でサイトが開けなくなったほか、四月の反日デモで存在がクローズアップされた「愛国者同盟」などの著名な反日サイトも開けなくなったり最新ニュースがカットされたりしている。
当局は掲示板の書き込みも削除する措置を講じているようで、香港紙「明報」(十日付)などによると、当局は地方の警察機関に反日デモ・集会の申請をすべて不受理とするよう通達、九月三日の「抗日戦争勝利記念日」まで、民間の反日活動の申請は受理しないものとみられる。

反日派と中国当局が、インターネットというバーチャルな世界の中で激突し、熾烈な闘いを展開しているようです。
「有害」情報を目の敵にしている方々には、大いに参考になると思われますが、その際は、これが「中国」の話であることを忘れないようにしていただきたいものです。

副総裁、15日にも起訴 「談合知らぬ」と全面否認

http://www.asahi.com/national/update/0814/TKY200508130261.html

公団OBの一人も事情聴取に対し、「談合の結果、技術の面でも価格の面でも国際競争力が落ち、外国企業と競合するケースなどで受注しづらくなった」と指摘しているという。

副総裁の前の技師長時代、公団の中で『会計検査院から経費が高くなっていると指摘されるのではないか』という意見が出て、一括に変えたことがある」との供述も得たとされる。

副総裁殿は、背任罪でも逮捕、勾留されているはずですが、私は、特捜部が、なかなか良いところを突いてきたなと思う反面、背任罪の構成要件の難しさはそれなりに理解しているつもりなので、図利加害目的などの立証はできるのだろうか、と、疑問も感じてきました。
しかし、上記のような証拠まで確保しているということになると、強固な否認のままでも十分立証できるという自信を持った上での起訴に踏み切れるのではないかという印象を強く持ちます。
この事件が、背任罪として有罪認定を受けることになれば、東京地検特捜部の知能犯捜査に関する能力が、世界最高レベルであることが改めて実証されることになるでしょう。
これに較べると、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050803#1122997895
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050715#1121354480

で触れた「口先警察」は、よちよち歩きの乳児以下でしょうね。

「憲法に戦争放棄を」 元外交官、終戦直後に首相へ書簡

http://www.asahi.com/national/update/0814/OSK200508130084.html

戦争放棄を新憲法に盛り込む発想は46年1月24日のマッカーサー・幣原会談で出たとされる。幣原が言い出したとされるが、どちらから出たのか、あるいは合作なのかについては論争があり、決着はついていない。

このマッカーサー・幣原会談は、かなり有名ですが、戦争放棄が案として持ち出された背景については、従来、知られていなかったのではないかという印象を持っています。
あくまで印象ですが、特定の誰かが言い出して決まった、という単純な経緯ではなく、複数の人々が、いろいろな場で検討を行う中で、次第に具体化して行ったというのが真相ではないか、そういう中で、この記事にあるような書簡もあったのではないか、と推測します。