クール便、現場は悲鳴 「時間指定」も負担大に

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131105-00000011-asahi-soci

仕分けや配達時のずさんな温度管理が発覚したヤマト運輸の「クール宅急便」。ヤマト関係者は本社が定める作業手順が「現場の実態に合っていない」と問題の背景を語る。「時間指定」などの顧客サービスも重い負担になっているという。

要求高くて対価は低い 佐川がアマゾンとの取引撤退 宅配業界大揺れ
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20131001#1380598422

でも、

非常に便利な、膨大な人々の日常生活に直結したサービスが、1私企業の意欲、能力に依存しているというのは、怖い気がします。現状を当然のことと捉え過ぎると、状況が変わった際にダメージ(心理的な面も含め)が大きくなりますから、当然ではない、ぜい弱なものの上に立っている、という意識は持っておいたほうが良さそうです。

とコメントしたのですが、便利さを追求するあまり、そういったサービスを提供するのは「人」によるもので人が疲弊するようなサービスでは長続きしない、ということを忘れてしまうと、サービス自体が行き詰まってしまうだろう、と素朴に感じますし危惧されます。
利用者とすれば、物が早く着くに越したことはなく、時間指定もできればなお便利、ということになりますが、考えてみると、本が注文した日とか翌日に届かず2、3日経って届いても、かつては書店に注文してから2週間とか1か月しないと来なかったことを考えると、十分便利にはなっているわけで、ワインやアイスクリームなどをクール便で運んでもらうにしても同様でしょう。
サービスを提供する側も、できること、できないことを峻別して、できないことはできない、できないことを無理にやらない、と合理的に割り切りながら進めないと、結局、サービスの質の低下を招き、利用者に迷惑をかけたり不信感を与えることなってしまいます。サービスというものを考える上で、かなり本質的な問題を含んでいるような気がします。

2013年11月05日のツイート

<NSC法案>衆院委で可決…政府、議事録作成に消極的

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131106-00000121-mai-pol

政府側が、議事録作成に消極的なのは、首相、外相、防衛相、官房長官による4者会合を中核とするNSCにおける議論では、外国から提供される機密情報を扱うことを想定しているためだ。政府が、外交機密などを漏えいした公務員に厳罰を科す特定秘密保護法案をNSC設置法案とセットと位置づけ、今国会中の成立を目指しているのもこのためだ。

政府筋が「議事録なんて作ったら自由な議論ができない」と語るように、政府内にNSC設置を機に議事録作成を始めようとの雰囲気は乏しいのが実態だ。

公の意思決定に参画する人間は、自分の発言に責任を持つべきで、「議事録なんて作ったら自由な議論ができない」程度の意識しかしか持てない人間は、公の意思決定に参画することなどやめて、その程度の意識の人たちで集まって他愛のない茶飲み話でもしているべきでしょうね。
省庁設置の審議会(「有識者」が集まっているはずの)でも、公開されている議事録を見ると、発言者の名前が伏せられていることがよくあります。発言者が誰か特定されることで、批判を受けたりすることが恐ろしいのだろうと思われますが、そういった空間で、小心者、無責任者が集って行われる議論は、後にきちんと検証されようもなく(上記の記事でも指摘されているように)、自由な議論というより無責任な放言を誘発しかねない、むしろ危険なものではないかと危惧されます。
日本的な意思決定は、アジア太平洋戦争に突入する際にも典型的に現れているように、特定の誰かが責任を持って決定するのではなく、得体のしれない「空気」が支配、作用する傾向があり、議事録すら作らない、無責任な意思決定プロセスが放置されるようでは、日本的な無責任さをますます助長することになりかねないでしょう。
NSCなどというものができても、その程度の無責任者の集まりであれば、そこに何を期待できるか、ということになってしまうと思います(私は「議事録なんて作ったら自由な議論ができない」程度の無責任者の集まりに何も期待していませんが)。