わが人生最高の10冊(「週刊現代8/10号」より)

角幡唯介(ノンフィクション作家)
 生と死が渾然一体とした世界を読む
角幡唯介さんのベスト10冊
1位 『ザ・ロード

ザ・ロード (ハヤカワepi文庫)

ザ・ロード (ハヤカワepi文庫)

破滅後の世界を漂流する父子。掠奪と殺人が続く極限状態で、人間としての極限が試される。ピュリッツァー賞受賞作
既読
2位 『越境』
越境 (ハヤカワepi文庫)

越境 (ハヤカワepi文庫)

16歳のビリーは捕らえた狼を故郷の山に帰そうと一人で国境を越える。美しい旅路の果てに見たのは、底なしの哀しみだった
3位 『世界最悪の旅 悲運のスコット南極探検隊』
世界最悪の旅―悲運のスコット南極探検隊 (朝日文庫)

世界最悪の旅―悲運のスコット南極探検隊 (朝日文庫)

南極点初到達の夢破れ、ほぼ全員が遭難死したスコット隊。生存者の元隊員が、日記・手紙などをもとに、壮絶な最期を綴る
4位 『哲学者とオオカミ 愛・死・幸福についてのレッスン』
哲学者とオオカミ―愛・死・幸福についてのレッスン

哲学者とオオカミ―愛・死・幸福についてのレッスン

狼と共同生活を送った哲学者による驚異の報告。狼という野生を通して、人間存在を考察する
5位 『ピダハン 「言語本能」を超える文化と世界観』
ピダハン―― 「言語本能」を超える文化と世界観

ピダハン―― 「言語本能」を超える文化と世界観

30年ピダハンと暮らした著者が、彼らの驚くべき言語とユニークな認知世界を明らかにする
6位 『笛吹川
笛吹川 (講談社文芸文庫)

笛吹川 (講談社文芸文庫)

甲斐の農民一家の生と死の物語。「凄い小説。バタバタと人が死に、自然を書いていると感じた」
既読
7位 『告白』
告白 (中公文庫)

告白 (中公文庫)

「読後、30分放心した。最後の一行のために、このぶ厚い小説を書いたのではと衝撃を受けた」
8位 『死のクレパス アンデス氷壁の遭難』
死のクレバス―アンデス氷壁の遭難 (岩波現代文庫)

死のクレバス―アンデス氷壁の遭難 (岩波現代文庫)

骨折、墜落、宙づり、パートナーによるザイルの切断。極限で何を思い、いかに生還したのか
既読
9位 『空へ エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか』
空へ―エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか

空へ―エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか

「新聞社を辞めたとき、クラカワーのように体験と主剤を融合させた作品を書きたいと思った」
10位 『反逆する風景』
反逆する風景 (講談社文庫)

反逆する風景 (講談社文庫)

「日本のノンフィクション作家の中で一番影響を受けた人。風景やシーンを書くことを学んだ」
既読
最近読んだ1冊:『何者』
何者

何者

「朝井さんの世代と僕らの世代には、世の中の認識の仕方に大きな違いがあると感じています。
その断絶がどこから来たのか。就職に猛烈な抵抗感を持っていた僕は、彼らに断罪されている気さえしました。面白かったし、考えさせられた作品です」