本日の読書

公明党vs.創価学会 (朝日新書53)

公明党vs.創価学会 (朝日新書53)

日本映画と戦後の神話

日本映画と戦後の神話

どちらもついさっき購入して、序章を読んだばかり。ところで島田裕巳四方田犬彦は、同い年で同じ大学の同じ学科の出身なのだよな。そのわりには書いているものに共通点がないというか、四方田犬彦島田裕巳に好意的に言及しているのに、その逆はない。まあ、「大人の事情」めいたものがあるのかもしれないが。下世話だなあ、われながら。

甘粕冤罪説?

今日はもう日記を更新しないつもりだったのだが、四方田犬彦『日本映画と戦後の神話』を読んでいたら、「ちょっと待てよ、おい」と言いたくなる文章に出喰わしたので、報告する。「李香蘭とは誰か?」のなかで、彼は次のように書いている。

2.李香蘭をめぐる男たちの群像のポルトレ。(中略)大杉栄事件にかかわったのち、満映の孤独な支配者として君臨した甘粕(ちなみにわたしは、個人的には彼の大杉殺害は冤罪であったと考えている)。

さよなら絶望先生』第九十話を真似れば、「さらっと言うなよ」といったところである。大杉栄といえば甘粕正彦甘粕正彦といえば大杉栄。そのくらいこのふたりの名前は強く結び付いている。それをこれといった根拠も示さずに、「冤罪であった」とは。しかも版元は岩波書店である。担当編集者は困惑しなかったのだろうか。
オレは「ラストエンペラー」やら教養系の新書やら日本近代史を描いた漫画や小説やらで、漠然と大杉栄甘粕正彦の人物像を知っているだけで、本格的な伝記や研究書は読んでいない。しかしいずれにしても、「甘粕冤罪説」なんてのは目にしたことがない。もしかしたら最新の歴史研究では事情が違うのかも、と思って検索したら、次のような記事が見付かった。
甘粕大尉 - Welcome party - Ynishi Bussiness Logs
http://d.hatena.ne.jp/yuuntim/20050715#p2
どうやら

甘粕大尉 (ちくま文庫)

甘粕大尉 (ちくま文庫)

という本で、甘粕冤罪説の正否が細かく検討されているようだ。もしこうした本を読んだ上で「冤罪であった」という見解に達したのなら、「個人的には〜と考えている」などともったいをつけずに、きちんと出典を書いてほしい。ああ、驚いた。