HPの記事書き直し中。

 ご無沙汰でした。
 考査期間になると機能が停止して,復旧までしばらくかかる。現役時代に自分が試験を受けるのはまったく平気だったのだが(午前で終わるので嬉しかった),試験対策をやって打ち合わせをして試験問題を作って印刷して試験監督をやって採点して返却・解答して素点を道教委のシステムに入力して成績をつけて票帳類の点検でサービス残業してという顛末でわたしはほとほと疲弊しきるのだった。
 
 ※ 教員の過重労働が一部で話題になっているが,わたしがしんどいのは日頃怠けている(血糖値と自律神経の機嫌が悪いので集中して頑張れない。頑張るときっと死ぬ)報いでしかない。
 
 現在,仕事で濁りきった頭のリハビリ中。
 
 というわけで,HPの更新というよりも,以前の記事の書き直しに取りかかっている。

  1. 各ページに仕込んでいた「はてなカウンター」が停止になったのでスクリプトを削除。
  2. 原記載を確認して(すると8年前には分からなかったことが続々と明らかになったりする),記載文データをタグ「!-- 」でソースに忍び込ませる。
  3. 「由来」で検索してくる奇特な御仁がいるらしいので,記事中に「由来」の語を無理に入れる。
  4. 一部,画像の差し替え。

 かくして,ナミシャクは半分くらい行ったところでまたしばらくお休みになりそう。
 

Clostera命名者のSamouelleについて。シャチホコ書き直し中。

 シャチホコガ科の幾つかを修正してうpし直し。
Clostera属について,その属名命名者のGeorge Samouelleの記事が英独をはじめとして5カ国語のウィキペディアに載っている。日本版はこういう分野では全然ダメ。
 誰も翻訳しないのはいかがなものなのかはともあれ,検索で物事を調べる覚悟があるなら英独仏ぐらいは読めないとお話にならないとも思う。わたしは独語がアウトなのでお話にならない組である。
 仕方なくグーグルで翻訳するのだが,「独→英」は比較的まともな翻訳をしてくれる。おかげでますます独語はマスターできないでいる。
 
 それで話は戻って,ジョージ・サムエルである。以下はウィキペディアの,から。(  )内はyyzz2による付け足し。
 彼はもともとが虫マニアの本屋で,昆虫や甲殻類の関係の本を出した縁で(Clostraの報告はこの頃のものである),1821年から大英博物館の自然誌部門で学芸員として働くことになる。彼はそれほど有能なスタッフではなかったらしい(たとえば博物館の一般公開などには熱心だったという彼は,最も重要な職務であるところのひたすら単調な標本整理には耐えられなかったのだろうと思う)。
 
 できの悪い学芸員なんて珍しくないだろう。世の中は玉石混淆でナンボである。ところがサムエルはどうにもただ者ではなかった。Michael A. Salmonの『The Aurelian Legacy: British Butterflies and their Collectors』, 2000 では次のように述べられる。

 しかし,二十年後,彼はさまざまな不品行によって馘首された。「彼は酒に手を出し,仕事をさぼり,先輩に侮辱の言葉をあびせ,同僚アダム・ホワイト(Adam White)に嫌がらせをした……標本の整理番号をわざと消して,大混乱を引き起こしたのである!」

 英語Wikiでは端的に「ラベルを取り除いて」となっている。「番号だけラベル」だったのかもしれない。いずれにせよ,分類学の命は標本で,標本の本質(≒エイドス)はラベルだから,ラベルに手を出せばクビになるに決まっている。おそらく病的な状態だったのだと思う。
 EOLで検索してみると,高次分類やシノニムを含めて119件ヒットする。このClosteraを含め,ほとんどが学芸員勤務以前の1819年の業績である。彼がプロになったのは不幸なことだったのかもしれない(でも,誰にとって?)。
 サムエルの献名を受けた昆虫としては,Heteronemia samouelleiがいる。ナナフシである。
 
 その他の修正。

 
 原記載を調べ直すと次々と新しいことが驚くほど出てくる。切りがないが,人生は短い。
 
 今回は画像なし。次回(10/2)は神奈川のケイさんのメール添付画像と,彼の新しいブログ紹介。