zames_makiのブログ

はてなダイアリーより移行

<パレスチナ問題は将来どうなるか、世界に何が必要か>

(論点)
パレスチナ問題は今後どのように推移するのか、イスラエルの目指すゴールは何か
2それに対してパレスチナ問題は本当はどのように解決されるべきなのか?
3その時アメリカ、又日本はどのような動きをとるべきなのか?


(以下は参考のための私の意見です)
 (1)現状ではイスラエルの虐殺はパレスチナ人全員を殺すまで止まらないでしょうね。食料も建設資材も武器も制限されたガザでは、だんだんと抵抗はできなくなる。数ヶ月後、数年後には再びイスラエルによる虐殺が行われ、その時には物理的に抵抗する資源はなくなっているかもしれない。イスラエルはそれを何回も繰り返し、次第にパレスチナ人の抵抗のための資源と環境を奪っていき、最後には意志をも奪って、パレスチナ人がガザから「自主的に」逃げ出すのを待っているのでしょう。そしてその次は同じことを入植地を基盤にしてヨルダン川西岸で行うのでしょうね。今の情勢ではそれが完結するまで数十年かかり、その間我々人類全体はこの不正を見逃し続けるのでしょうね。
 もちろんこうした虐殺と侵略の間イスラエルアメリカはそれに様々な理由をつけて正当化し誤魔化すのでしょう。9.11の後ではガザにいてイスラエルに抵抗する者はテロリストであり、その背後にはイランがあるとされる。ガザを封鎖し無差別爆撃するのはパレスチナ人を殺すためではなく、テロリストを封じ込める仕方のない処置でありほんの数人のテロリストであっても数十万人のパレスチナ人全体が命の危険にさらされるのは仕方のないことだとされる。


 (2)問題のキーはイスラエルの不正を世界1の大国アメリカが強力に支持している事でしょう。今でもアメリカの強力な支持がなければ、国連の非難があり各国からの経済封鎖にあえば、イスラエル国民は考え直さざるを得ないでしょう。ここで大事なのは軍事力ではなく国際的な批判という圧力が、イスラエル国民に紛争の実際の姿に気づかせ、反省を促し動かす事ではないか。国際的批判という言論の力が民主主義国家の主権者であるイスラエル国民に「なんらかの妥協」を探る方向へ動かすでしょう。


 (3)「なんらかの妥協」とはより平等な形でのイスラエルパレスチナ2国家の建設でしょうね。あるいはアパルトヘイトを放棄し新たに生まれる多民族国家パレスチナイスラエル国(1国家案)へのパレスチナ難民全ての帰還と主権を認めることかもしれない、どちらも今のイスラエル政府にとっては到底受け入れることの出来ない妥協(いや敗北)でしょう。2国案でいえばその妥協のラインとは2008年の今予想するなら、1967年のイスラエル占領のラインであり、大枠オスロ合意に沿うもの。それに難民の帰還(全てではなくても)とエルサレムの国連信託統治ないしはイスラエルパレスチナの両国の共同管理を加えたものではないか。これはハマスにとっても多くのパレスチナ人にとってもかなりの譲歩でしょう。だがそれも将来イスラエルによる虐殺が進めばガザ地区は放棄せよとか、ヨルダン川西岸の入植地および連結地域はイスラエルの領土という様に移行する。だから妥協内容は、妥協ができる時期になった時しか判断できないように思える。


 (4)しかし現状では不正の基盤たるアメリカ自身の不正さはなくなりそうもありません。強力な政治的影響力を持つアメリカのユダヤ人は自らの行為を自分で反省し正すことはないように思われる。彼らは自分への表立った批判がないので、パレスチナの全ての土地がイスラエルのものになるまで平気な顔をしてイスラエル支援をアメリカにさせ続けるのでしょう。
 しかし私にはアメリカの非ユダヤ人がなぜ自国の不正さに目を向けないのかわかりません。ここまでの60年間でイスラエルの不公正に関する「より多くの情報」がアメリカの非ユダヤ人に入手しやすくなったはずです。しかし現状ではアメリカ社会が自国の不公正さを正す方向に動くように思えません、その兆候もあるように思えない。

 こうしてアメリカが変わらない限りパレスチナ問題は解決するとは思えない。であれば、日本やイギリスなどその他の国がするべきことは何か?それは世界的な言論の力しかパレスチナ問題を解決する事はできない、という事です。

 
 (5)唯一の解決の方向は、日本でそして欧州各国でイスラエルの不公正さを糾弾することであり、又イスラエルを強力に支持するアメリカを批判することでしょう。同時に中国やアジア、アフリカ諸国など第3者からも公正さという点からイスラエルアメリカへの批判が起きること、それが圧倒的になること。それによって初めてアメリカのユダヤ人、そしてアメリカの非ユダヤ人にこの問題への反省と見直しが起きるのではないか?また同時にイスラエル国民にも自らの行為への反省が起きるのではないか?

 そういうかなり遠い先までパレスチナ人は殺され続ける、彼らは殺される事で世界にイスラエルの不正を訴え続ける事になる。パレスチナ人は自分が根絶しになる(絶滅される)のと、世界がイスラエルの不公正さに強く声をあげてくれるのと、どちらが早いか、自分たちの命をかけた賭けを強いられている、と言うべきではないでしょうか。それは現状では見通しの暗い不利な競争かもしれない、しかしパレスチナ人にはそれしか選択肢はないように思えます。