サッポロの転落はスティールにも一因ある

雑誌PRESIDENTは加護野先生と伊丹先生が交代で連載されている「経営時論」しか読まなくていいのですが、今週(2008年11月3日号)の加護野先生のご意見には頭がクリアにさせられた。


サッポロがサントリーに抜かれた原因はひとつではないだろうが、スティールがサッポロを「攻撃」していることも一因であるとの論理的推測をされる。経営を執行する時間がスティールの対応に割かれてしまい、本来の経営をできなかったとし、また従業員のモラール低下を招いたと分析されていた。


ティールが日本でうまくいかない理由をきちんと説明できていなかった私の脳はかなりクリアになった。


しかしひとつだけ忘れてはいけないことがあると思う。スティールにつけこまれたサッポロも猛省を求められるべきだと思うのです。スティールがつけ込むのは経営が下手なところだからです。従業員は経営者がバカだというかもしれませんが、従業員だって甘えていたと思いますよ。戦略をつくらせるのは現場ですから。


ティールが拍車をかけたのだと思いますが、経営下手のサッポロは遅かれ早かれ、サントリーに抜かれていたと思うのです。魅力有る商品がないというのは悲しいかなスティールにも指摘されてました。
スティールがサッポロに突きつけた市場分析の資料(PDF)より


企業は魅力有る商品でもって顧客からご褒美を得続ければ、誰もいちゃもんをつけられないはず。これが目指すべき企業の姿だと思います。