「古書店を扱った作品」の第二弾は、八木沢里志『森崎書店の日々』(小学館文庫、2010年)。小さな古書店がずらっと軒を構える「本の街・神保町」が舞台。恋人と仕事を失い、失意のどん底に陥った貴子が、その地で中古本を販売する「森崎書店」を営む叔父のサトルのもとで手伝いをするようになります。それまでは、すべてに受け身の人生を送ってきた貴子。森崎書店の日々が「本当の人生を始めるきっかけを与えてくれる」ことに。古書店で働く人の日常・仕事、常連さんたちとの付き合い方、個々の古書店主を支えているネットワーク、神田古本まつり、今時の古書・古本事情がよくわかるだけではなく、ほとんどの古書店(書店数は170以上)が…