「左遷・降格を扱った作品」の第四弾は、江波戸哲夫『集団左遷』(祥伝社ノン・ポシェット、1995年)。バブル崩壊後の不況期、到底達成できない目標を課すことで、50名もの社員を解雇することを目的に、三有不動産の副社長が創設した「首都圏特販部」。本部長に指名された篠田洋のもと、「無能」の烙印を押され、特販部に集団で左遷された部下たちは必死の思いで、営業活動を展開するのですが……。1994年10月29日に公開された映画『集団左遷』(監督:梶間俊一さん、主演:柴田恭平さん、出演:中村敦夫さん)の原作本。初刊本は、1993年に世界文化社から刊行。 [おもしろさ] 余剰人員を解雇しようとする副社長の執念 バ…