平安時代の女性歌人 右近の魅力:小倉百人一首第38番とその影響 (学部生時執筆) 1. はじめに 右近(うこん)は、平安時代中期の女性歌人であり、醍醐天皇の中宮穏子(おんし)に仕えた女房である。右近の詠んだ和歌は、その時代の宮廷生活や女性の感情を鮮やかに描き出している。特に小倉百人一首に収録されている和歌第38番は有名である。本レポートでは、右近の生涯とその和歌について考察し、女房三十六歌仙との関係性についても触れる。 『年中行事絵巻』巻一「朝覲行幸」(国立国会図書館デジタルコレクション) 2. 右近の生涯 右近の生涯については多くの詳細が伝わっていないが、彼女が醍醐天皇の中宮穏子に仕えた女房…