「聖なる光り輝く島」スリランカはしかし、紛争の絶えない国でもあった。スリランカの主な民族は、シンハラ人(74%、仏教)とタミル人(18%、ヒンドゥー教)である。シンハラ人は、紀元前に北インドから上陸したアーリア系民族であり、タミル人は、英国植民地時代に紅茶プランテーション労働者として南インドから強制移住させられた。シンハラ人とタミル人の対立の発端も、例外なく列強国の植民地支配に因るものであり、英国は"少数派"のタミル人を行政府官吏に重用して、"多数派"のシンハラ人を統治させる「分割統治」を行った。その結果、シンハラ人は貧しい農家になる一方、タミル人のみが優れた教育を受け、官吏以外にも商人や資本…