『ノルウェーの森』 僕にももっと若い時があった。何十年後の自分はどこにいる? 意味が無いと知りながらも妙な偏屈さで自分を慰めたりしたんだ。 やっぱりサヨナラだけが人生なんだな。産まれた瞬間から死に向かっているだけなんだなあ。 厭世的にはならないけれどね。 ○月○○日 20xx年 沈殿した泥土をかき回したような気分にゆれる。求めていたものはここにない。 小雨の降る真夜中の2時。流れていきたい。静かに浮草のように優しくはなれそうにないけど、正直にはなれそうな気がしてる。 「もう寝ようか、明日仕事なんだ」君がいう。 湿りを帯びた灯りの下でいつかと同じ感情が流れ、妙に空々しい。 少し照れながら悟りきっ…