1968年生まれ。比較文化学者。 東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。学術博士。 同志社大学言語文化教育研究センター助教授を経て、中央大学文学部教授。 著書『楽人の都・上海―近代中国における西洋音楽の受容』(研文出版、1998年)でサントリー学芸賞、日本比較文学会賞を受賞。『上海オーケストラ物語』で島田謹二学芸賞受賞。
2020年春から始まった科研基盤Bの共同研究、コロナと時期を一にしたため、海外渡航もできず、どうなることかと思っていましたが、幸い、仏語新聞と2019年に資料調査した外交文書など大量のデータがあり、作業は地道に続けることができました。 そして、ようやく、今月末にその研究成果が刊行されます。 榎本泰子・森本頼子・藤野志織編 「上海フランス租界への招待 — 日仏中三か国の文化交流」勉誠出版。 目次は次の通りです。音楽学からも5名が執筆陣に。そのほか外交史、美術史、比較文化、文学など多彩な執筆陣が力作をお寄せくださいました。(井口) はじめに 上海フランス租界への招待 榎本泰子「東洋のパリ」上海フラ…
書誌情報:文藝春秋,709頁,本体価格7,000円,2023年9月30日発行資本論を読破する作者:鎌倉 孝夫,佐藤 優文藝春秋Amazon「20世紀の日本が誇る知的遺産である(実際にアメリカやカナダでは宇野経済学についての研究書がいくつも出ている)宇野弘蔵の知的遺産が21世紀に途絶えないようにすること」(「はじめに」5ページ)を目的に,『週刊金曜日』主催の『資本論』講座のうち,同第1巻分全18回をまとめたもの。 『資本論』第1巻の構成にしたがい,その概説と宇野理論とのかかわり,『資本論』の現代的意味などを話し言葉で大著に仕立てた。『資本論』における自然科学の例解について,それはあくまで「類比,…
6月25日の大田智美さんのコンサートに向けて、ピアノも練習しているけど、今日も荒井良二展に向けての作曲をする。これ以上作ると作りすぎかな、と思ったが、里村さんが「もっと他のも聞いてみたい」と言う。じゃあ、もう一曲作ろうと取り組む。荒井さんの『山のヨーナ』の中に、山のヨーナsoundtrackというページがあって、そう言えば山形ビエンナーレでの展示『山のヨーナ』でも音楽が流れていたなぁ。そうか、サントラかぁ。ぼくは、荒井良二展のサントラを作っているんだ、と気づく。今日、新たに作った不思議な曲は、荒井さんの絵で言えば、《誰も知らない山の神さまちゃん》っぽいかなぁ。とりあえず、今ある7曲に仮にタイト…
皆さまご無沙汰しております。我です。 4月から大学院に通って早2か月、こちらの更新を全くしておりませんでしたので、自分の中での整理を兼ねて近況の報告をさせていただきます。 我は現在、某大学院にて漢語方言について研究をしております。具体的な研究内容などの言及は控えますが、以下に自分用のメモついでに読んだ/読んでいる・これから読む書籍を挙げますので、そこから察していただければ幸いです。 〇最近読んだもの 泉田英雄(2006)『海域アジアの華人街:移民と植民による都市形成』学芸出版社 榎本泰子(2009)『上海 多国籍都市の百年』中公口論新社 大島正二(2017)『唐代の人は漢詩をどう詠んだか』岩波…
昨日は、「ラボ・トーク・セッション」の第27回であった。ご登場いただいたのは、中央大学教授の榎本泰子氏、演題は「日本人が中国に見た夢と幻 日中交流の歴史を巡って」。 この先生については、『「敦煌」と日本人』という著書との関係で、かつてこのブログにも一文を書いたことがある(→こちら)。私が先生と重なり合う20世紀前半の音楽史、もしくは文化史というものを研究対象としていたこともあって、先生の研究からは大きな恩恵を受けている。深い研究をするというだけでなく、その成果を一般市民向けに語れるということに関して、これ以上の方はいないのではないか、と思う。私にとってそんな尊敬に値する大家に、ついにラボに来て…