オチのない話を先にすると、 その日、僕は神戸市内の駅前でフェリーのりばへ向かうバスを待っていた。 すると、いくつかの荷物を持った女性が現れ 「フェリーのりば行きますか」と聴いてきたもので 「ええ、行きますけど」と僕は答えた。 すると女性は荷物を足元に置き、 「私、トイレに行きたいんでこの荷物見といてください」と言う。 「え、もうすぐにバス来ますよ」僕が言うと、 「大丈夫です、そこにトイレあるのわかってるんで」と答え、 さらに着ていたコートを脱いで、 「これも脱いでいきます。貴重品は入ってませんのでお願いします」 と荷物の上にコートを置いて去っていってしまった。 「まじかよ」僕は腕時計を眺めた。…