奈良市薬師堂町の御霊神社社頭から、東へ5分も進むと左側に築地塀が続く趣のある山門に至ります。 雨寳山(ウホウザン)十輪院の山門(南門)。十輪院は薬師堂町の御霊社にも現れた元興寺旧境内の南東隅の十輪院町に鎮座します。門前を通りかかり、門の先に見えた本堂の落ち着いた佇まいに足を止める。写真の山門は鎌倉時代前期に建てられたものとされ、普通この位置から軒を見れば、玉縁式瓦葺きの屋根を支える垂木があるが、垂木の替りに厚板が軒を支えているためスッキリした印象を受けます。本堂も同様の造りになっています。これ見よがしに人目を引き付ける意匠のない、簡素な四脚門で、現在の門は道路沿いの築地塀から境内側に引いて建っ…