1872〜1950 長岡藩筆頭家老・稲垣平助の五女として生まれ、1898年(明治31年)、兄の友人で、米国在住の杉本松之助の許へ嫁ぐ。 それから米国在住の30年。大正の末(1920年)にコロンビア大学で日本語と文化史を講義し、教壇も和服で通した。 また、自伝的英文小説『武士の娘』を在米中の1925年に刊行し、ベストセラーになった。
武士の娘 (ちくま文庫)
今回ご紹介するのは杉本鉞子『武士の娘』です。 IT化、高度情報化、コロナ禍と何かと変化が多いと言われる現代ですが、かつて、今よりも更に激動の時代「明治」がにありました。 それまでの社会構成が天と地がひっくりかえったかのように変わった明治維新の激動のただなかに生まれ、更に結婚によりアメリカへと渡った一人の女性がいました。 自らの価値観を激しく揺さぶられながら、己を見失うことなく、かつ内に閉じることなく、稀に見る精神力で時代を泳ぎぎったその考え方に、今こそ学ぶときなのではないでしょうか。 あらすじ おすすめポイント 幼少期の厳しい躾 明治維新後の新風と渡米、揺れ動く武士の娘としての生き方 明治にお…
本を読む ――3000冊の書評を背景に 中沢孝夫 著(福井県立大学名誉教授) 探す楽しみ、読む楽しみ、評す楽しみ――本の楽しみについて書き尽くす! 本書は、書評歴32年、約3000冊の書評を書いてきた著者が、これまでにどんな本を読み、どう楽しんできたかを綴る自伝的エッセイです。 著者の書評を書くときの基本姿勢は「自己の抑制」。大切なことは「自分が得をすることや、自分を輝かすことではなく、本を輝かすこと」と言い切ります。そこには本に対する深い敬意と愛情が表れています。それゆえ「自分を輝かすための書評」に対しては大いなる苦言を呈しています。 ほめるためか? 批判するためか? 結局何のために書評があ…
読了しました。 英語達人列伝II かくも気高き、日本人の英語 (中公新書) 英語が堪能な日本人が、どのように英語を勉強し、身に付けていったかを解説された一冊です。 著者の斎藤先生の本は10年ほど前にまとめて何冊か読んで、今回久しぶりに新しいこの本を読みました。 過去の著作でも、英語の達人が何人も取り上げられていますが、今回はまた新たな顔ぶれ。 言っちゃ悪いけど意外と夏目漱石が英語の達人だったなど、著名人やあまり知られていないけどすごい方々の一面を見ることができました。 人によって、習得方法はさまざま。 でも、特に、現代の英語学習の流れと比べて大事だと思えるのは「読む力」。 達人は誰もが半端ない…
2011年の読了リストです。 順番はアイウエオ順です。☆は再読でした。青木玉 幸田文の箪笥の引き出し有吉佐和子 青い壺池内紀 海山のあいだ泉鏡花 夜叉ケ池・天守物語井上靖 本覚坊遺文上田早夕里 リリエンタールの末裔植村直己 極北に駆ける植村直己 青春を山に賭けて宇野常寛 ゼロ年代の想像力大原まり子 吸血鬼エフェメラ☆岡本かの子 家霊奥本大三郎 楽しき熱帯小倉美恵子 オオカミの護符大崎梢 サイン会はいかが大崎梢 配達あかずきん大崎梢 晩夏に捧ぐ大崎梢 平台がお待ちかね小野不由美 ゴーストハントシリーズ折口信夫 死者の書・口ぶえ鏡明 不確定世界の探偵物語風間一輝 男たちは北へ梶尾真治 クロノスの少…
ブログを始めるにあたって、おそらくこれからは世間への不平不満や愚痴や文句や、人の気持ちを和ませはしない予感がしています。でも最初から人を不快にして場を穢すのも大いに気が引けますから、今日は読書感想文を一つ。 文字通り感想でして、本の内容についてはお読みになってもほとんど分かりません。悪しからず。 本の題名は「実践経営学」 副題「松下幸之助に学んだ自主責任経営学とは」、著者は小川守正氏。PHP文庫、1992年5月15日、第1版第一刷。元々は1990年刊行で、その文庫版です。30年以上前の本。 実はこれを手にする前に、すぐ近くにあった「武士の娘」という、越後長岡藩の武士の娘であった杉本鉞子という方…
・『逝きし世の面影』渡辺京二 ・『シドモア日本紀行 明治の人力車ツアー』エリザ・R・シドモア ・『イザベラ・バードの日本紀行』イザベラ・バード ・喧嘩の作法・『覚書 幕末の水戸藩』山川菊栄 ・『武士の娘 日米の架け橋となった鉞子とフローレンス』内田義雄 ・『武士の娘』杉本鉞子 ・『ある明治人の記録 会津人柴五郎の遺書』石光真人 ・『守城の人 明治人柴五郎大将の生涯』村上兵衛 ・『國破れてマッカーサー』西鋭夫 この石川さん夫婦は烈公以前の哀公時代、すなわち文化文政の、のんびりした華やかな時代に青年期を送り、芝居も遊芸も自由に楽しめた時代に育った人でした。したがって芸ごとにも明るく、人柄ものびのび…
先日から、女には「良妻賢母」とか、「賢婦」とかの言葉があるが、対義語だったり、それに近い男の言葉が思いつかず、なーーーんとなくモヤモヤしていた。そんな今日、X(笑)で「亭主関白」という言葉を提示してもらって、成程!!!となった。そうか、確かにそれなら結構ストンと来る。 パパっと調べた感じでも、「良妻賢母」の男性バージョンがない・・・という事が引っかかった、という人はいるようだ。対義語にはならないけれど、候補として拾ってみると、・愛妻家・子煩悩 くらいしか出てこない。熟語以外で考えてみても、出てこない。 ちなみに、たまに「良夫賢父」も上がるが、これは造語としては作られているが全く普及していないし…