北米大陸を視察して、増田義一がしみじみ感じた必要性は、一刻も早く日本のあらゆる店舗から、「いらっしゃいませ」と「何をお求めですか」とを分離せねばならないということだった。 アメリカでも店に入ると「いらっしゃいませ」が飛んでくる。 しかし九分九厘それきりだ。 店員側からより以上、重ねて喋ることはない。 「その沈黙がありがたかった」 と、この政治家にして出版人、『実業之日本社』創業の雄は物語る。 (Wikipediaより、増田義一) おかげで実にのびのびとした、自由な気持ちで商品を選ぶことができたのだ、と。 かてて加えてこちらから、 ――すみません。 と、接触を求めにいった場合の反応たるやどうだろ…