廿八日 朝戸出に見れば、軒をつらねたる屋の上に、わらをくみて、月の輪のやうにわがねて、ふたつみつあげたるは何の料にてかと人にとへば、むつきの氷餅(シミモチ)を、みな月の朔のあした歯固の祝にくひて、つゝみわらを屋根になげあげて、火よけとぞしけるとなん。 ゆく/\小川あり、名をとへば多具那(滝名)河とこたふ。 又河あり、とへば、たぐな河といらふ。 うべ此川は、志和の稲荷の神籬のほとりをへて、こゝにてふたつにわかれたり。 しは(紫波)のいなりのおましこそ、まことの志賀理和気の神(式内社)のふるきみあとになれとは、かねてきゝつ。 河の流に、人あまた足あらふを、 おなじ瀬をあ昱のたくなはくり返しいくたび…