日本の現代文学を代表する作家、村上春樹の長編小説(1987年発売)。また、それを原作とした映画作品。
愛すること、生きることの意義を、静かにかつ激しく、そして限りなく美しく描いた究極のラブストーリー。
国内小説発行部数歴代No.1(1044万部)とされ、世界中で読み継がれている(海外翻訳36言語)現代文学の最高峰の一つ。略称はノル森。題名はビートルズの楽曲名からとられた。
ブックカバーの色が「赤」の上巻と「緑」の下巻からなり、その画期的な装丁も話題となって、当時はその本を持つこと自体が1つのステイタスにもなった。帯に書かれたキャッチコピー「100パーセントの恋愛小説です」は本人の作によるもの。
村上春樹の熱狂的なファンをハルキストと呼び、現在「世界でもっとも有名な日本人作家」と言っても過言ではない。
自殺した親友の恋人だった直子と大学の同窓生・緑との間で揺れ動く主人公ワタナベの青春のもがきを描いた究極のラブストーリー。
高校時代に親友・キズキを自殺で喪ったワタナベは、誰も知っている人間がいないところで新しい生活を始めるために東京の大学に行く。そこでワタナベは読み漁っていた本の余白と同じような空っぽな日々を送るが、ある日偶然直子と再会する。直子はキズキの恋人だった。キズキはワタナベにとって唯一の友だったので、高校時代にはワタナベと直子も一緒によく遊んでいた。
それからワタナベと直子はお互いに大切なものを喪った者同士付き合いを深めていき、ワタナベは透き通った目を持つ直子に惹かれていく。そして直子の二十歳の誕生日に二人は夜を共にする。ところが、ワタナベの想いが深まれば深まるほど直子の方の喪失感はより深く大きなものになっていき、結局直子は京都の療養所に入院することになる。
そんな折にワタナベは大学で、春を迎えて世界に飛び出したばかりの小動物のように瑞々しい女の子・緑と出会う。直子と会いたくても会えないワタナベは、直子とは対照的な緑と合うようになっていき、あるとき緑の自宅での食事に招かれた際に、唇を重ねる。
その後、直子からワタナベの下へ手紙が届き、ワタナベは直子に会いに行けることになるが…
(一部、公式映画HPより引用)
世界中の映画監督が同小説の映画化を試みたが、完成には至らず、映画化の難しい小説としても定評がある。第67回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門 正式出品作品。
※書影はAmazon.co.jp掲載・単行本(上)ISBN:4061848925のもの。