Amazonより 本書は、1986年から1989年にかけて、村上春樹が妻の陽子さんと共にヨーロッパで過ごした3年間の滞在記です。日本を離れて執筆活動を続ける中での思索や日常生活が綴られていて、村上春樹の作品の背景を知る上で貴重な一冊です。また、異国の風景や文化を追体験できる興味深い内容になっています。 『異国の風景』 スペッツェス島は、ペロポネソス半島の先にある小さな島。夏の間は外国からの観光客が数多く訪れるが、シーズンが終われば地元の人々の島に様変わりする。村上夫妻は、10月の半ばに観光客と入れ替わるようにしてこの島を訪れた。 遠くの方でモペッドのクラクションも聞こえる。どこかの教会が鐘を打…