二日ひるはれて猶風とく吹ぬ。 三日 こゝを出て常雄のやにくるみちのなかに、わらふだしきて、みてぐら、みところにさしたるは、ものゝけある人を、けんざ(験者)のいのりて、かく、ちまたにまつる、みちきりといふもの也。かくて其やにいたる。 四日 あるじとかたらひ、けふもゆふぐれになりぬ。 五日 きのふにひとし。 六日 けふ雪ふりそめて、ひんがし山、をさへ山真白にみゆれど、ゆきかふくつのはな埋みもはてず。 ふみしだきつゆはむとりもこゝろせよけふをはつかにつもるしらゆき 七日 ゆふつげ行ころなへ(地震)したり。 八日 あるかたにゆくよめとて、人々のゝしりて見たるを見れば、ふとくたくましき馬に、いみじきよは…