洋画家・挿絵画家。1884年12月24日-1969年5月1日 愛知県出身。黒田清輝に洋画を、寺崎広業に日本画を師事。日本画の号は沙夢楼。1913年の文展で「カッフェの女」が受賞。君島柳三の名で挿絵画家としても活躍、川端康成や矢田挿雲の挿絵を描き、俳句は室積徂春の『ゆく雲』に参加。1955年愛知県文化会館美術科長。光風会会員。帝展審査員。
1909年生まれ。英文学者、比較文学者。
彼女の太陽:三上於菟吉 1927年(昭2)7月~1928年(昭3)5月、雑誌「女性」連載 1931年(昭6)新潮社、長編三人全集 第18巻 所収 昭和初期にモダニズムの先進的な旗振り役を果たしたプラトン社発行の雑誌「女性」に連載された注目作。若くして病気で夫を亡くした女性が文才を認められ、女流作家として歩み出す。しかし自分の人生に男がいない孤独感から、女性遍歴で悪名のある劇作家と交際を始め、恋情を抱くに至る。しかしその男が別の女と交際する現場を目撃した場所で彼女は昏倒する。それで冷静に身を引くかと思いきや、むしろその女から男を奪い返そうという意欲に掻き立てられ・・・。男は女を、女は男を求めざる…
1920年代のアール・デコと総称される芸術・文化・生活スタイルについて 最近、20世紀前半の文化史等についていくつか本を読んでいるが、このテーマの本を探していると、海野弘の本にあたることが多い。 ただし、アカデミックな研究者というわけではないので、この本も研究書ではない。様々な雑誌等に書いた記事を集めた本になっている。 1985年に出た本を2005年に文庫化したもので、初出は全て1980年代で、文庫化の際に追加収録したものも初出は1998・1999年である。 そういう経緯の本なので、内容としては繰り返しの部分も多い。また、記事によってはかなり短いものもある。 「デザイン」の時代であること、「女…
日本画家土肥蒼樹宛葉書は、4枚所蔵。そのうち1枚は「竹内栖鳳門下の土肥蒼樹と新しき村の上田慶之助・高橋信之助 - 神保町系オタオタ日記」で紹介済みである。今回は、昭和19年3月□日消印の社団法人日本美術報国会*1からの葉書を紹介しよう。 文面は、同会が企画した必勝絵馬が総点数4,340点、揮毫者2,169名(3月3日現在)となり、同月中に陸軍に献納する運びとなったとの報告である。また、献納に先立ち同月8日から12日まで三越本店で情報局後援の下に展示会を開催する旨の案内も記載されている。 朝日新聞昭和19年2月2日朝刊には、「”決戦の翼“飾る絵馬/美報会員が彩管*2突撃」の見出しで、日本美術報国…
*高畠華宵大正ロマン館、2023.11.18、14:00-15:30。 *現代美術家、太田三郎氏の展覧会「三鬼と三郎と華宵」の記念イベントとして、太田氏、徳永高志氏とともに太田氏の作品や西東三鬼、高畠華宵の作品について語り合った。
東京京橋のギャラリーなつかで太田三郎展「Book jacket」が開かれている(6月27日まで)。太田は1950年山形県生まれ。1971年に鶴岡工業高等専門学校機械工学科を卒業している。1980年よりシロタ画廊をはじめコバヤシ画廊やギャラリーなつかなどで個展を多数開いている。 ギャラリーのホームページより、 文庫本型ノートの表紙に、外国の切手や使用済み封筒を貼った作品40点をつくったのは2010年のことである。それらをスキャンして「Book jacket(ブックカバー)」に仕立てた。複製の「Book jacket」は表面がフラットな印刷物である。2021年から2023年にかけて、実物の切手をさ…