自由貿易の対義語。簡単に言えば、国家が貿易(外国貿易)に干渉すること。 代表的な動きとしては、輸入品に高関税を課したり、逆に輸出に当たって奨励金を生産者に与えたり、数的な輸入制限を掛けたりする。他、全面的な輸入禁止であるとかも含まれる。 基本的には自国内での産業の保護と育成のために行われるが、他の外交問題への報復として保護貿易的な活動ことが行われる場合もある。
日本の農業は過保護だから競争力がないなど、市場原理主義者がよくいうことですが、本当にそうでしょうか。他の先進国と比較するとそんなことはないようです。たとえば、アメリカが農作物の輸出国になっていますが、多い年には穀物輸出の補助金だけで1兆円あるということが、鈴木宣弘『農業消滅』(平凡社新書、2021年)で指摘されています。どうも日本では農業政策を意図的に農家保護政策に矮小化して批判している人たちがいるようです。もっと客観的なデータに基づく議論が望まれます。 たとえば、OECDのデータによれば、日本の農作物の関税率は11.7%と低く、多くの農産物輸出国の二分の一から四分の一程度でがんばっているとい…