お水を大切にすること。 私が通った幼稚園は禅寺で和尚様が園長先生だった。 園長先生はちいさな子供たちを前に紙芝居やら絵本で説法を説くのが習慣だった。 その中でも、今もずっと私の習慣の中にたった一つ残るのは、道元禅師のストーリー。 道元禅師のお言葉は難しいのだが、これは小さな子供向けの何気ない日常のお話。 ある日、道元様が長い旅先から戻られて、玄関で履物を脱いでいるところ、 小坊主の雲水が足を洗う水をお持ちしようと井戸へ向かう。 道元様はそれを止められて、新しい水ではなく風呂の残り湯を持てと おっしゃる。 子供たちへの説法はお水は無駄にぞんざいにしてはいけないというお話だった。 きっと園長の和尚…