NHKの朝ドラ「カムカムエヴリバディ」が昨日最終回を迎えましたが、今回取り上げる山本文緒さんの「自転しながら公転する」も言ってみれば、ある家族の物語でもあります。ぐいぐい物語に引っ張られて、あっという間に読んでしまいました。 プロローグは、ベトナムで結婚式を挙げる花嫁の言葉で綴られ、エピローグでは結婚式の後のパーティーがサイゴン河のクルーズ船の上で行われるようすが出てきます。 プロローグとエピローグは短いものです。本編では、この物語の主人公の都♀(みやこ)が東京での仕事を辞め、茨城県の実家に帰ってきて、牛久大仏近くのアウトレットモール内の洋服店で販売員をしているところから始まります。 ここで、…