ずっと行きたいと狙っていた喫茶店だった。 昨年末から、何度か足を運んでいた。その度、店には人影が無く、しかしながら、閉店や休業を告げる貼り紙も無かった。 いつか入れるだろう、との想いは何度か訪れては閉まっている様子を見るにつけ、心配のような心持ちに変わっていった。一度も入ったことのない喫茶店なのに。おかしなものだ。 兼六園を右手に、金沢城址 石川門を左に見ながら進み、兼六園下交差点をさらに奥へ。 両サイドが駐車場で、その中央にぽつねんと屹立する真四角な建物は際立ち、目立っていた。 何度訪れても、入店することは叶わなかったけれど、いつも「今日こそは!」と思いながらやって来ていた。 同時に、なんの…