朝が来た。 だが、目は覚めない。 カーテンの隙間から光が差し込んでいることは分かる。 でも、その光は私にとって“朝”を知らせるものではない。 ただの光だ。 もう何時なのか、今日は何曜日なのか、そんなことはどうでもいい。 今日が来たことすら、恨めしいと思ってしまう。 身体は重く、まるで鉛を詰め込まれた袋の中に閉じ込められているようだ。 手を動かすことすら億劫で、頭は霞がかかったようにぼんやりしている。 「起きなければ」と何度も心の中で呟くが、その声すらすぐにかき消される。 まるで無力な抵抗だ。 布団の中は唯一、安全に感じられる場所だ。 けれども同時に、この布団は私を捕らえる檻でもある。 安心と絶…