【陳列館2階】のみの使用。それでも二十三名の作品が並ぶ。 一番驚いたのは『野口怜眞』の〔潜佇〕。これは「ゲンゴロウ」かな。大きさは50㎝ほどもある。 まさに今、水の中に潜って行こうと体制を整える、その刹那。 その先には獲物がいるのだろうか。 てらっとした背中、茶色い腹面。質感の素晴らしさ。 『青木宏憧』の〔漆黒鏡かぶとむし〕にも仰け反った。 カブトムシの頭部を模した台座の上には真円の鏡。が、近寄ってみれば、表面は磨き抜かれた漆。 のぞきこめば、顔がしっかりと像を結ぶ。 それ以外にも秀作が多々。 同所で開催される展覧会の中でも、クオリティが最も安定していると個人的には感じる標題展。兎に角、外れた…