浄瑠璃や歌舞伎で演じられる近松門左衛門作の『女殺油地獄』は、借金をどうしても今日中に返さないといけない与兵衛が、豊島屋の女房お吉を油まみれになりながら刺し殺し、お金を奪うという凄惨な場面で有名です。 でもいったいどれほどの金額のためにお吉を殺したのでしょうか。ぽん太は両とか文とかいう単位は知ってますが、『女殺油地獄』では一貫目とか上銀とか知らない単位が出てきます。江戸の貨幣制度はどうなっていたのか、また現代の貨幣価値にしたらいくらぐらいなのか、与兵衛はいくらのためにお吉を殺したのか、調べてみることにしました。 最初に申し上げておきますが、江戸時代は大変長く、その間に様々な貨幣が作られ、貨幣制度…