油屋の次男坊・与平衛は、放蕩三昧の生活を送り、ついには生母・義父から勘当されてしまう。しかし、この2人は商売仲間のお吉に小遣いとしていくばくかのお金を預けるが、与平衛は200両をおくれとお吉にせがむ。彼女が拒むと、流れる油の中、与平衛はお吉を刺殺する・・・
近松門左衛門の主要な作品の一つ。ただ、初演当時、近松の作品としてはあまり評価されず、明治時代の坪内逍遥によって再発見された。
近松門左衛門名作文楽考1 女殺油地獄 (近松文左衛門名作文楽考 1 女殺油地獄)作者:豊竹 咲大夫,尾嵜 彰廣講談社Amazon■文楽劇場に出かけるのも何年ぶりだろう。酷暑の夕涼みにはもってこいの演目だし、浄瑠璃の詞章の予習も万全(ただし現代語訳)、たっぷり堪能してきましたよ。さすがに冷房がガンガン効いていて、寒くなってきたけど。 maricozy.hatenablog.jp■「徳庵堤の段」「河内屋内の段」「豊島屋油店の段」だけなので、完全な通し公演ではない。近松の原作では、その後を描く「同逮夜の段」があり、与兵衛の人間性を深く理解するには、必要な段なんだけどね。■「河内屋内の段」の奥では、口…
「おんなごろしあぶら”の”じごく」なんですね。知りませんでした。音声ガイドを聞いていて初めて知りました。「おんなごろしあぶらじごく」だと思ってました。近松門左衛門作品ですね。先週の土曜日、久しぶりの鑑賞です。 国立文楽劇場開場40周年?この建物2代目?40年も経ってるようには見えないが…?17時頃到着。18時開園なのでまだ開場もしていないので展示室へ。 今回は夏の親子イベント向けに「文楽で学ぶなまずと西遊記」がテーマですね。 マチャアキの孫悟空とだいぶ違いますね… こっちも動くんですかね? 西遊記のみならず、北遊記、南遊記、東遊記があるそうな。ほんまかいな? 沙悟浄は結構リアル。というか人間に…
落語作家 本田久作とのタッグで独自の番組をお届けする《噺小屋》プロデュースシリーズ。 今夏は国立演芸場から銀座の端っこに会場を移して客席数が少し増えますので、お誘いあわせのうえ、ぜひお越しくださいませ。 《銀座之噺小屋》 文月の独り看板 蜃気楼龍玉 「女殺油地獄」―近松門左衛門没後300年― 原 作 近松門左衛門脚 色 本田久作出 演 蜃気楼龍玉 日時 2024年7月9日(火)18:15開場/19:00開演 会 場 博品館劇場 料 金 ・全席指定 3,900円(税込) ※未就学児入場不可 ・U-25チケット 2,000円(6~25歳) (いがぐみ電話予約・e+のみ取扱い) ※当日、生年月日が記…
浄瑠璃や歌舞伎で演じられる近松門左衛門作の『女殺油地獄』は、借金をどうしても今日中に返さないといけない与兵衛が、豊島屋の女房お吉を油まみれになりながら刺し殺し、お金を奪うという凄惨な場面で有名です。 でもいったいどれほどの金額のためにお吉を殺したのでしょうか。ぽん太は両とか文とかいう単位は知ってますが、『女殺油地獄』では一貫目とか上銀とか知らない単位が出てきます。江戸の貨幣制度はどうなっていたのか、また現代の貨幣価値にしたらいくらぐらいなのか、与兵衛はいくらのためにお吉を殺したのか、調べてみることにしました。 最初に申し上げておきますが、江戸時代は大変長く、その間に様々な貨幣が作られ、貨幣制度…
隼人くん推しのにゃん子につきあって、京都南座まで花形歌舞伎を観に行ってきました。正直あんまり期待してなかったけれど、「女殺油地獄」の隼人くんの与兵衛が素晴らしく、すっかり引き込まれて思わず涙をこぼれてきました。若さが生み出した体当たりの名演だったと思います。 南座花形歌舞伎4年目と、近松門左衛門没後300年 隼人くんの与兵衛がお見事!『女殺油地獄』 和事の柔らかみが足りない「河庄」 常磐津の大曲に乗せた舞踊劇「将門」 撮影タイムもあって楽しい〈乍憚手引き口上〉 公演情報 南座花形歌舞伎4年目と、近松門左衛門没後300年 新型コロナの最中の苦しい時に立ち上げた南座の花形歌舞伎も今回で4年目とのこ…
本日放映 女殺油地獄 女殺油地獄ってすごいですよね。何がすごいってタイトルからしてすごいじゃないですか。 女・殺し・油・地獄 どう考えてもただでは済まない感じがすごいです。 で、中身もタイトルに負けておらず、ちょっと常軌を逸した作品ですが、大好きです。殺しが嫌いな方にはお勧めしません。女が惨殺されますが、美しい舞台です。 登場人物のキャラが立っているので、登場人物の性格を押さえておくだけでもいいかもしれません。お話はわかりやすいので。 登場人物 河内屋与兵衛 クズofクズ。借金が返せなくなりにっちもさっちもいかなくなって知り合いのお吉に無心。そしてついに。 豊嶋屋七左衛門 油屋。女房お吉と娘二…
筆者の年末恒例行事となっている南座の顔見世興行を観劇。多少の人数制限はあったものの各部とも満員の盛況で、松嶋屋以下各優が力のこもった芝居を見せてくれていて、大変な盛り上がり。外は寒かったが客席は熱気に溢れていた。しかし何度も書くが、大向うがないのが何とも寂しい。早く通常に復して貰いたいものだ。 幕開きは『年増』。役者が「一人語り」をする常磐津舞踊。先代芝翫が得意にしていた踊りで、時蔵は初役の様だ。舞踊にもニンがあり、この踊りは時蔵に適っている。仇な雰囲気が実に良く、いかにも年増女の色気がたまらなく良い。舞台には表れない太鼓持ちの五丁とのやり取りを一人でしゃべるくだりも、目の前に五丁がいるかの様…
皆さんは,近松門左衛門の作品ではどれが好きですか。今回読み直してみて,私は「女殺油地獄」のリアルさに心震えました。以前はただ冗長と感じたものでしたが,よく味わって読むと「女殺油地獄」は実に傑出した作品だと思いました。今回はそのストーリーよりは書き込まれている神仏関係の内容に着目して当時江戸中期の庶民の神仏信仰について書いてみます。ご存じのように近松の主要作品は年代順に『曽根崎心中』(1703年)『冥途の飛脚』(1711年)『国性爺合戦』(1715年)『心中天網島』(1720年)『女殺油地獄』(1721年)となっています。『曽根崎心中』では序に観音巡りがあり,「まず一番に天満の大融寺から回り出す…
女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく) 2009年6月,歌舞伎座上演 CAST 片岡仁左衛門、片岡孝太郎、板東彌十郎、片岡千之助板東新悟、中村梅枝、片岡市蔵、市川右之助、片岡秀太郎、中村梅玉作:近松門左衛門 STORY 複雑な家庭環境により荒んだ生活を送る大阪天満の油屋河内屋の息子・与兵衛は、店の有り金を持出しては馴染の芸妓小菊に入れあげている。 金に困った与兵衛は、継父の徳兵衛に金策を頼むが断られ逆上、家族に暴力を振るう始末。見かねた母・おさわが勘当を迫ると自棄を起こして家を飛び出すのだが、借りた金の返済は迫り、途方に暮れる。一方、徳兵衛とおさわは同業の豊島屋の女房お吉を訪ね、与兵衛を家に…