京都に所用があって行ったので、ついでと云う訳ではないが万博で賑わう大阪に足を伸ばし、松竹座にて万博開催記念公演を観劇。新作中心で筆者的に特別興味をそそる狂言立てではなかったが、若手花形が奮闘しており、中々楽しめる内容であった。入りとしては筆者が観劇した日は一部の入りが今一つではあったものの、二部・三部は満員に近い盛況。芝居としても判りやすく、その分肚のある狂言はなかったが、外国客や初めて歌舞伎をご覧になる方にはうってつけの狂言立てであったと思う。 第一部の幕開きは『今昔歌舞伎草紙』。藤間宗家勘十郎振付による日本舞踊。青虎の口上の後に前半は花柳杏子・藤間勘松音・藤間勘知恵らによる日本舞踊家四十名…