一 与話情浮名横櫛 「粋な黒塀見越しの松にあだなな姿の洗い髪 久しぶりだねお富さん」という春日八郎の歌は知っていたが、どんな話なのかは分からないまま観た。 小間物屋の養子になった与三郎だが、実子が生まれたために身を持ち崩す。 そんなとき木更津の海岸で出会ったのが土地の親分の女であるお富。親分に逢瀬を見つかった二人。与三郎は切り刻まれ、お富は海へ飛び込んだ。 それから三年、和泉屋の世話になっているお富を与三郎の仲間の蝙蝠の安がゆすろうとしていた。その女がお富だとは知らず、与三郎は安と共に源氏店のお富の家へやってきた。 この後の展開は知らなかったが、意外にもハッピーエンドだった。 お富が玉三郎、染…