シネマ歌舞伎『月光露針路日本 風雲児たち』という作品があります。以前、途中から歌舞伎座で歌舞伎版を観ているのですが、再度映画で映画版を今月に入ってから冒頭から観ています。でもって、なにも書かずにいるのはやはりちょっともったいない気になってきたので、書きます。 原作は作品名にも出てくるみなもと太郎のマンガ『風雲児たち』で、エピソードそのものは井上靖『おろしや国酔夢譚』と同じ大黒屋光太夫一行の漂流及びロシアからの帰国までの顛末で、詳細は是非何らかの形で視聴していただきたいのですが壮大な物語になっています。主人公の船頭かつまとめ役の大黒屋光太夫を松本幸四郎丈が演じるほか、減らず口でお調子者かつ小心者…