本稿では「アイヌ」と「東北」の「先住民」である「蝦夷」の関係について述べる。 6.東北の「アイヌ」は「蝦夷」のこと 木村東吉(1994)によれば,詩〔日はトパースのかけらをそゝぎ〕の舞台は第3稿で述べたように花巻の西の郊外,山の神・熊堂付近にあるアイヌ塚が想定されていると言っている(石井,2022b)。木村は「アイヌ塚」と言っているが,花巻に「アイヌ」が住んでいたのであろうか。確かに,「東北」の古代の「先住民」はアイヌ語あるいはそれに近い言語を話していたという。「東北」の地名にアイヌ語と思われるものがたくさんある。しかし,「東北」の「先住民」は北海道のアイヌ民族と必ずしも同一とは言えない。多分…