自身が死去する10年以上も前から、「立川雲黒斎家元勝手居士」という戒名を自筆で書き記していた。 そんな落語界の重鎮、立川談志が2011年11月にこの世を去ってから、もうすぐ12年。 生前、筆者も談志の記者会見を何度か取材したことがあるが、やはり忘れられないのが1997年9月12日、担当医師同席のもとで行われた「ガン告白」会見だ。 会見6日前の9月6日。東京都府中市にある「森芸術劇場」で高座に立つ談志が「酒落小町」のまくらで「俺、実は食道ガンなんだよ」と告白した。 シャレかと思われたもの、その後の高座でも「ガン告白」を繰り返したことで、12日付の新聞各紙が一斉に報道。 それを受け、都内の病院で緊…