このお店のことを僕ごときが書いても良いのだろうか。まだこのお店のことを語るには人生経験もお酒の嗜みも足りないのではないだろうか。。そんなことを考えるほど、この「喜幸」には達人が集まる。「喜ぶ」に「幸せ」と書いて「きいこ」と読む。なんと縁起の良さそうな名前だろうか。かのバッキー井上氏の著書『いっとかなあかん店 京都』(株式会社140B刊)の一番最初に紹介されるお店である。今も文人や作家、趣味人をはじめ、企業のトップから大学教授など口の肥えた各分野のスペシャリストが静かにお行儀よく、酒と旬の肴を楽しんでおられる。そう、「お行儀よく」なのである。酔った勢いで大声を出したり、騒ぐような輩は一度も見たこ…