旧来から伝わる小正月は、例年が1月15日。県内では、1月14日の夕刻から15日の朝方にかけて行われる伝統行事にとんど焼きがある。カメラマンたちは、そのとんどで燃やされる様相を撮りたくて、あちらこちらに出没する。私もいっときは、同様な行動をしていたが、とんどに燃やした焼け炭が気になっていた。取材先に度々耳にする。その焼け炭を持ち帰って、竈の火種に使う。その火種は、竈に寄せて、準備していたカラカラに乾いた豆木(まめぎ)に火を移す。火を入れて炊くのは小豆粥だ。翌朝には、できあがっている小豆粥を口にする。もちろん、椀によそって食べるのだが、箸は、例えば正月の膳に口にした祝い箸ではなく、自然に生えている…