今回ご紹介するのは、高層マンションの非常階段で姿を消した男の話です。都会の片隅で起きた不思議な話をご紹介します。 《あらすじ》 依頼者は証券トレーダーの夫と品川のマンションの26階に住んでいた。3年前に義母が同じマンションの24階に越してきた。義母は義父の死をきっかけに不安神経症に悩まされていた。その日も、義母の「うまく息ができない」との訴えを聞きつけ、夫は髭も剃らずに非常階段を下りて様子を見に行った。その直後、夫は消息不明となり10日が過ぎた。 『夫はそこで消えてしまった』 夫はそこで消えてしまったのです。煙のように。それ以来まったく音沙汰はありません。24階と26階を結ぶ階段の途中で、痕跡…