※以下、ネタバレを含みます。 『のび太と鉄人兵団』――戦争は、心より先に世界を占領する 1986年の『のび太と鉄人兵団』は、入口だけ見れば、巨大ロボットへの憧れをそのまま映画にしたような作品である。北極で見つかった部品をつなぎ合わせ、誰もいない鏡の中の世界で巨大ロボット・ザンダクロスを完成させる。そこへ持ち主を名乗る少女リルルが現れ、やがてその背後にメカトピアの地球侵略計画があることが明らかになる。筋だけ追えば、いかにも子どもが胸を躍らせる題材の並んだ一本である。 けれども、この作品が今も特別な位置を占めているのは、ロボットの大きさや戦闘の迫力のためではない。もっと嫌なところに重心がある。『鉄…