建築士会福島支部主催設計コンペの2年後、県が主催となり「ふくしまの家」設計コンクールが行われた。それは木造住宅生産促進事業の一環として初めて実施されたもので、モデルハウスとして実際に建築する設計者を決める設計コンペだった。 敷地は彼の故郷から8kmのニュータウン内で東南西の3面が道路に囲まれていた。西道路は1.4mほど低く、南道路は勾配で1.4m~0.4mほど道路が低くなっており、両道路とも一段上がった歩道があり車の乗り入れは出来なかった。さらに東は歩行者専用道路で、車の乗り入れは北東部からのみという特殊条件の敷地だ。3面道路であり、道路が下がっているため採光条件は良く、遠く西側に連なる山並み…