市街地にもオオゴマダラがひらひら 映画「悪童日記」を観て原作を読みたくなり、ハンガリーからスイスに亡命した作家アゴタ・クリストフ著「悪童日記」、続編の「ふたりの証拠」「第三の嘘」を一気に読んでしまった。 リュカとクラウスという双子が戦中戦後に過酷な人生を辿り、その手記を事実のみ残すという話なのだが、勢いで読んでしまうと、あちこちに出没する双子、上下左右すれ違い、どっちがリュカでどっちがクラウスなのか、そもそも二人は双子だったのか、誰が誰のことを書いているのか、いつのまにか奥深い迷宮に入ってわからなくなってしまう。 ラストは突然、衝撃的な結末なのだが、既に双子の綴る乾いた「人生=物語」みたいな境…