一人っ子はわがままだ、と世間的には言われることが多い。一人っ子の私は、そのことにも慣れている。団地で生まれ育ち、隣には年の近い友達もいた。その子達は年子の兄弟であった。小学生になっても、兄弟がいる友達が何人もいた。だから兄弟の暮らしがどういうものか、ということは大体分かっている。子どもの成長は一年間でも相当なものだ。弟は良いようにされている、つまり言いくるめられていることが多いように見受けられた。食べ物の分け前やおもちゃの使用権など、お兄ちゃんのほうが何かと有利であった。おかしな理屈で少ない方を選択させられたりしていたのは、年少者のほうだった。 独り占め! その点、一人っ子はそのような憂き目に…