アリューシャン列島最西端の島。アラスカ州の一部なので米本国領(および北アメリカ)の最西端*1ということにもなる。 アリューシャン列島ニア諸島*2で最大の島。
1942年6月に日本軍によって占領されたが、1943年5月にアメリカ軍に奪回された。(このときの戦いが日本軍による玉砕第一号だとされている)
*1:東経172度
*2:アリューシャン列島の中でロシアに一番近い=nearで、この名がある
満州とアッツの将軍 樋口季一郎 指揮官の決断 (文春新書) 作者:早坂 隆 文藝春秋 Amazon 1943年(昭和18年)5月30日午後5時、大本営はアッツ島守備隊が「全員玉砕せるものと認む」と発表した。アッツ島守備隊は最後の突撃を行う前に電信装置を破壊したため、司令部は米海軍の平文による通信を傍受することによって戦況の把握に努め、米海軍省が30日に「アッツ島日本軍の残存部隊は全滅した」と公表したのを踏まえて上記の発表となった。 同年7月、キスカ島守備隊5千名の撤退作戦が実行され、軍艦の数と航空戦力で勝る米軍の隙を突いて全員の撤退をやり遂げた。この時のある逸話が今日にいたるまで語り継がれてい…
#今日は何の日 5/29 1453ビザンティン帝国(東ローマ帝国)の首都で東方キリスト教の拠点コンスタンティノープルがオスマン帝国により陥落。東ローマ帝国が滅亡。 1660フランスに亡命していたチャールズ2世がロンドンに入城してイングランド王となり、王政復古がなる。 1760アメリカ独立戦争・ワックスホーの戦い。戦闘に勝利した英軍が、大陸軍が白旗を挙げたのを無視して大陸軍兵を虐殺。 1787アメリカの憲法制定会議でバージニア代表が憲法法案を提出。 1862第二次東禅寺事件。江戸・東禅寺のイギリス仮公使館に警備の松本藩士が侵入しイギリス人水兵2人を殺害 1867「アウスグライヒ」として知られるオ…
#今日は何の日 5/13 1787オーストラリアに設けられた流刑植民地に向けた最初の船が、総督アーサー・フィリップに率いられてイギリスを出航。 1818イギリス人ゴードンが浦賀に来航し貿易を求めるが、江戸幕府は拒否 1846アメリカ合衆国議会がメキシコに宣戦布告。米墨戦争が勃発。 1861イギリスが、アメリカの南北戦争に対する中立を宣言。 1866江戸幕府が英仏米蘭と輸入税引き下げの「改税約書(江戸協約)」を締結。 1869「出版条令」制定。出版の許可制と出版取調所を設置。 1870庚午事変。徳島本藩からの分離を求めていた淡路洲本城代の稲田家を、本藩側の過激派藩士が襲撃。 1888ブラジルで奴…
#今日は何の日 5/12 1787天明の打ち壊し事件。天明大飢饉で大坂の庶民が米屋を襲撃。 1863伊藤博文・井上馨ら長州藩士5人が英国留学のため密出国。 1875ドイツで社会主義労働者党(現 社会民主党)結成。 1898キュリー夫人がラジウムを発見。 1917岡山県で済世顧問制度が発足。民生委員制度の前身。 1918英海軍に徴発された客船オリンピック号がドイツの潜水艦(Uボート)を体当たりで沈める。 1925「治安維持法」施行。 1925パウル・フォン・ヒンデンブルクがドイツ・ヴァイマル共和政の第2代大統領に就任。 1926ポーランドでユゼフ・ピウスツキがクーデター(五月革命)を起こし政権を…
前回からずいぶん時間がたってしまった。そろそろこの項も片づけてしまわないと、ぼくのことだ、そのうち本の中身をほとんど忘れてしまうかもしれない。 本書もそうだったが、このところ、大作ほど結末が見えてきたところでひと休み。それがそのまま大休止となりがちだ。あとはいつでも読める、と安心してしまうのがいけない。ほかの本(日本のもの)に目移りしてしまうのもいけない。 本書の場合、そもそもタイトルがよくない(内容的にはズバリ、これしかないのだけど)。この siege が籠城者の生存と玉砕、どちらかでおわるに決まっている、とひと目でわかる。 ぼくはじつは、ひそかに玉砕のほうを期待していた。読んでいる途中では…
今回はほんとうは Muriel Spark の "The Driver's Seat"(1970 ☆☆☆★★)の落ち穂ひろいをする順番なのだけど、前回の "Troubles"(1970)の流れで、どうしても表題作(1973)から先に片づけないといけない。それぞれ Farrell の Empire Trilogy に属し、どちらもブッカー賞史上、屈指の名作だからである。 まず両書の比較からはじめよう。ぼくの評価では "Troubles" は☆☆☆☆★、"The Siege of Krishnapur" は☆☆☆☆。★ひとつ(約5点)のちがいはなにか。 簡単にいうと、ハナから結末の予想がつく点では…
水木しげる『コミック昭和史 第6巻 終戦から朝鮮戦争』講談社文庫1994年10月15日第1刷、読了。これはいい。戦後の日本が生々しく可笑しく哀しく活写されている。 ネット、うろうろ。《 東京国立近代美術館 「重要文化財の秘密」 権威付けする悩ましさ 会田誠さん「世をリフレッシュ」 来月14日まで 》 毎日新聞https://mainichi.jp/articles/20230407/ddm/010/040/001000c《 雑談風に取材されたのですが、カットされた部分としては、今後重文を戦後まで拡大すべきかどうかという話題。いっそ草間彌生まで行っちゃえば良い…いや違うか…とか、僕の独断なら藤田…
必要なレベルを中露にあわせる考え方で政府防衛省が予算を組む。 第二次世界大戦とまったく同じ間違いをやることになる。 戦争は戦争になるまでに勝負が決まっている。 新兵器や戦術の革新で戦局が多少変わっても、それは多少でしかない。 つまり国力の差をいかに埋めるかに専念しつつ防衛力を整えるのが平和と勝利のために絶対不可欠だ。 半導体と兵器力だけではすぐに息切れする。 日本人は馬鹿だから、日本人を殺して自殺に追い込むだけで、硫黄島アッツ島沖縄戦の悲劇を繰り返す。 そういう政府を支持している。 平成になってすぐのころ、戦中派の平民(創価民)が太平洋戦争で日本軍の侵攻を戦後なおずっと正義だと信じて嬉々として…
宝乗山善光寺の参拝を終え、表六甲ドライブウェイをスイフトスポーツで駆け上がり、六甲山上を目指した。 スイスポのVDCをOFFにしてこのワインディングロードを走ると、この車の旋回性能の高さを味わうことが出来た。 そして、神戸市灘区摩耶山町にある真言宗の寺院、摩耶山天上寺に到着した。 摩耶山天上寺 天上寺の創建は、大化二年(646年)のことと言われている。第36代孝徳天皇の勅願により、法道仙人が開山したという。 本尊は、法道仙人が感得したという秘仏十一面観音像である。 孝徳天皇勅願寺の碑 山門 その後弘法大師空海が、唐から帰国した際、梁の武帝が刻んだと言われる摩耶夫人(まやぶにん)像を持ち帰り、こ…
会社へ行くSバーン、折り返し列車に乗ることで座席に座り、いくばくの通勤を楽にする。 各駅で人が入れ替わるたびに、誰か譲れる人がいないか探す。 かつての知り合いが、「優先席には積極的に座る。困っている人に席を譲れるように。」と言っていたのを思い出す。 僕は妊婦には席を譲る。老人には席を譲らない。怪我人や障害者には席を譲る。 なぜなら、自分より「弱い」から強者としての余裕を見せるのである。 もちろんブランド品やでかい指輪を身につける老人には絶対に席を譲らない。 発達障害者で低年収な私の方が絶対的に譲られるべき存在だからだ。 心のヘルプマークがほしい。僕は発狂寸前。 今日も1ヶ月前と同じことをする。…
突然、埼玉のNさんから、手紙をいただいたのは、一昨年のことであった。私が戦時中に勤務していた、さいべりあ丸に、父上が船長として乗船していたが、昭和十九年(一九四四)夏に、爆撃を受け、船と運命を共にしたという。長く、戦没の場所も月日もわからなかったが、ようやく、南方の島で空襲をうけたことを、父上の同僚から聞いたのは、つい近年のことだという。私が、さいべりあ丸に乗船していたという情報をどこからか聞いて、船長であった父上を知らないだろうか、話をしたり、船で接触があったのではないか、何でもいいから知らせてほしいということであった。昭和十八年の夏には、私はさいべりあ丸を下船している。その後、病院船は、輸…
(なんとなく期間限定で公開することにしました。たぶん突然消えます) この本では、軍隊における同性愛を扱いますが、戦争を美化する意図は毛頭ありません まえがき 日本軍隊をテーマにしたBLは私が学生だった二十数年前、ほとんどみあたらず(仮想軍隊物はあった)、大竹直子先生の陸軍士官学校を舞台にした『白の無言』シリーズをひたすら愛読していた記憶がある。後年、叶誠人氏の『軍隊と男色』(現在はKindleで入手が可能)を読む機会があり、アングラ雑誌「奇譚クラブ」のなかにあふれんばかりの軍隊ソドミア(軍隊内部におけるホモセクシャルな関係や行為)事情があふれていたことを知った。また、ソドミア小説を集める日々の…
Amebloのブロ友さんで、毎回すごい情報量で圧倒のアート記事によって読者を魅了するすごいおにいちゃん「bunsho-san」と、こんな対話をしました ぼく「ダダは、無意味であることに意味を見出そうとして、躓いてしまった一方で、バカボンパパの言動は、まさに天性のダダと思います。赤塚不二夫さんからさかのぼり、葛飾北斎や写楽、はては法隆寺の落書きなど、日本はカリカチュアの宝庫であり、このカリカチュア精神(天性ダダ的な「無意味の力」による「常識・正義の粉砕」)で、戦争などのゆがんだ正義をゆるさない、おこさせない、そんな世界を願っています。」 Bunsho-san「今回のブログ(Romantique …
藤田嗣治「サイパン同胞臣節を完うす」 藤田嗣治の戦争画「サイパン同胞臣節を完うす」についても菊畑茂久馬は高く評価している。『絵かきが語る近代美術』(弦書房)より 私共同胞のむごたらしい死出の旅を描いた絵の、どこに戦意高揚のプロパガンダの意図がうかがえるのか。どこに軍の手先となった欺瞞的な嘘っぱちの絵の理由があるのか。戦後、丸木位里、俊の「原爆の図」が国中の人々の賞賛を浴び、藤田は国を追われました。何故か、何故かと考えながら絵を後にしました。簡単に今は答えない方がいい、いや永遠に答えはないのかもしれない、と自分に言い聞かせて、(東京国立近代美術)館を後にしました。 マリアナ諸島の小さな小さな小島…
藤田嗣治「アッツ島玉砕」 藤田嗣治の戦争画「アッツ島玉砕」は毀誉褒貶のある作品だ。批判する意見も多い。だが菊畑茂久馬は絶賛している。『絵かきが語る近代美術』(弦書房)より ……この絵は何度見ても美しい。どこか夢見るような詩情漂う絵、地獄の殺戮図でありながら、宗教画を見るような荘重な気持ちにさせられる。藤田の戦争画の中で最も優れた絵だと思います。 アリューシャン列島の先端の小島、1年中氷にとざされたツンドラの島、この小島に山崎保代大佐以下2500余名の守備隊がいた。昭和18年5月21日、アメリカ第51機動部隊は、空母1、戦艦3、駆逐艦7、第7師団1万数千人の大部隊でこの豆粒のような小島に襲いかか…
菊畑茂久馬『絵かきが語る近代美術』(弦書房)を読む。九州派の重鎮菊畑茂久馬が平成13年から14年にかけて福岡県立美術館で連続講演をした記録を再構成・加筆したものとのこと。菊畑は画家だけれど、日本近代美術史としてきわめて面白い。 前半は江戸時代から明治初期までの西洋画受容史を取り上げている。平賀源内から司馬江漢、それらが高橋由一に繋がっていく。明治のお雇い外国人フェノロサの大きな影響、その弟子たる岡倉天心の重要性が指摘される。 もっともここらあたりは常識的だが、日本近代美術の父と言われる黒田清輝と夏目漱石が並べて論じられる。黒田清輝は明治の元勲の息子という選良で明治17年にフランスへ渡る。当時フ…